Feb 26, 2005
草々(1996.10.1)
ガラスの盆地を行く電車は
草々の立方体の
思いを
じゅんじゅんに重ねていく
ガラスの中に積まれていく
立方体の思いは
国道から連なる
西や東を分析していった
紙上にコーヒーを垂らしながら
文庫のくっきりした活字の痕を
染みにして
頭がひとしきり
立方体になって
その中を草々が泳ぎ
またその奥に池があって
たき火が燃え
魚が跳ねているような
ガラスの盆地に
思いが透明な煉瓦の形に
重なる
この広い時計の文字盤に
青い絵がいっぱいに広がり
街の建物が活字の痕に
ぎざぎざの陰を作る
その本の上
ガラスの盆地は
じゅんじゅんに思いを
草々のように溜めていく
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