Jul 05, 2010

なつかしいひと

懐かしいひとからメールがきた
「ご無沙汰しています。お元気ですか?」
真夜中、ひっそりと開いていた本から顔をあげる
「わたしは相変わらずです」と書いてから
「先生は?お元気でしたか?」と続けた


すぐにまた携帯が光った
「覚えていてくれたのですね、嬉しいです」

そういえば今頃の季節だったろうか
講演会に行ってマイクを持つ彼の話を聞いた
終わって会場をでるところで
数人の保護者に声をかけられて立ち話をしている彼と
かるく目配せをして帰ってきた

あれからどれくらいの月日が経ったのだろう

自信にみちたひとが時おりみせる弱気を
そういえば年下だったなぁとほんのり思い出している
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Jun 10, 2010

変化なし

会社の人や取引先の人たちや、警備員さんや掃除のおじさん、
最初の頃は名前も顔も覚えられなかったけれど、
すっかり覚えたし、辞めてべつの人になったりもしたから
間違いなく順々に覚えて、そしてみんないいひとたちだ。

会社の若い上司に「やめたい」と言い出せない。
一緒に問題解決をしようと試みてくれたこともあったし
そのときはすこし状況が変わったようにも思えたけど
けっきょくダメみたい、となかなか言い出せない。

いつかまた何か状況が変化するだろうか
じぶんができると思うことをしてきたつもりなので
ひたすら静かに黙々と仕事をしていれば
どうにかなるだろうと思っていた。

でも「どうにもならない!」という事を強く思い知る時があり
ひとって変わらないんだな~と思う
わたしはああいうふうにはなりたくない、と思う。

思い知るときと思い直すとき

思い直すときは「もっとひどい場合」を想定する
それからそのこと以外のいいひとたちを思う
とりあえずは必要とされている
そしてわたしには生活がかかっている
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Jun 08, 2010

さいけつ

採血はかならず失敗される 
もちろん痛い
どこの病院でも
だれがおこなってもかならず一度ではいかない
不安でまず左腕をさしだし
「あ」という声を聞いてから
右腕をだす(こころの準備はできている)
みんないろいろな理由をいいながら謝ってくれるから
すこし笑顔をつくったりなんかする

看護士は首をかしげながら
試験管の中に溜まった血液を振り混ぜている
ようやく採取した戦利品のようだ

両腕の絆創膏をはがしながら
「もう充分に生きたつもり」とじぶんが書いたことを
ふと思い出してはガラス窓を見る
そういう夜は
たいていいつも六月だ
試験管の中で振り混ぜられる血の記憶が鮮やかで
どうにかやりすごしたはずの五月が
予測してはくりかえす失敗のように
どこまでもおいかけてくる
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Jun 05, 2010

あつまる

おおきくなったこどもたちがかえってくる日 
ひさしぶりにご飯をたくさん炊いた 
みんなが好きだった手巻き寿司の具をいろいろ用意して
むかしとおなじようにそれぞれの席についたら
三人の大きな子供たちがいっせいに歓声をあげた

家族五人、こうして揃うだけで
なにがそんなに嬉しいのかよくわからないまま
みんなで顔を見合わせて笑った

外に出て
傷ついたり悔しかったり悲しかったりしても
かえってくる場所はあるんだよ
まだここにある

小さかったあなたたちのこころとからだが
育っていくのを
この場所で見ていた

手を貸したりなにもできずに見守ったりしていた

たぶんわたしはまだここにいる
もしもどこかほかのところにいても
あなたたちがかえろうと思ったときには
たよりない夕暮れのように
どこからともなくやってきて
なつかしい夕食の席を用意してあげる
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Jun 03, 2010

ろくがつ(2)

ちょっとした不注意で 
古い蛍光灯を割ってしまった
みごとに粉々になった

職場で

ちょうど誰もいなくて
いそいで片付けた
「ガラス 危険」と赤いペンで書いて袋に貼り
ゴミ置き場に持っていったら

掃除のおじさんが汗をかいて黙々と仕事していた

「あとで休憩にきてくださいね」と声をかける

それから
ガラスがまだどこかに落ちていてはタイヘンなので
デスクの下や椅子のところや
キッチンの近くまでかがみこんで念入りに調べた

会社の人が来るはずなのにこない
早く来ればいいのにと思ったり
「まだこないで」と思ったりしているうちに

すっかり夕方になった
掃除のおじさんもお茶を飲んで帰った

昨日みたいに六時がきた
ガラスが気になってやり残した仕事があるようで
ぐずぐずしていた

昨日と今日はべつの一日
まったく違う仕事をして
疲れて帰るときはバスを待っている

だけどきょうも心地よい風が吹いていた
秋が終わるような風だった
あるいは
だれもこないことを知りながら待つときのような

不安のかたちにすっかりなじんで
どこへもいけないときは
どこへでもいけるような気さえして・・・。
Posted at 23:31 in poem | WriteBacks (0) | Edit

Jun 02, 2010

ろくがつ

六月の夕方はあかるい 
六時に仕事を終えて外にでる

この古い自転車にはライトがつかないから
さっさとかえればあかるいうちに
猫の待つところに戻れる

もうわたしとしては
じゅうぶんに生きたつもりなので
死への誘惑がアタマからはなれない


おかしなこどもだったけれど
ちやほやされて青春をすごした
結婚して懸命に家庭をまもった
できるだけのことはちからをつくした

愛することを知り
愛されることを知った

そしてもう
いくべきところがみつからない
ただあの猫がまっていてくれるから
猫とわたしのベッドがあるから

六月のあかるい夕方
風をきって自転車をこいでいく

死にたいと思っているのに
ぜったい言ってはいけないと知っている
知っていることをほめられて
どこまでもどこまでも風が気持ちよい
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May 31, 2010

こうしん

どうしていつも否定的なことを言うのだろう。
もうそれは、変わらない性格なんだね。

むかしはずいぶんそれをきいてへこんだ。

じぶんがだめなにんげんみたいに思えてしまう。
もともと利口ではなかったし、
よく親にも叱られていたから、 自己評価は低い。
わたしはわたしでよし、と思えるようになったのは、
あるひとと出会ったとき。もう40代になっていた。
だからいま否定的な発言を身近なひとから聞いても、
「ああ、またか」と思えるようになった。

でも不思議だ。

わたしが仕事でひどく傷つき散々な目にあっているのを
身近なひとは知っている。
ひどいよね、と同情してくれる。
それで、とうとう転職を決意し、
「こういう仕事」とちらりと言ってみると、
「できないでしょ」と即答だ。
ほんとうに即答。
表面だけでも励ましておけばいいのにね。
あるいは、きちんとアドバイスをするとか・・・。 まあ、それは無理なんだ。
知ってる。
だから言いたくなかったんだよね。

久々の更新。
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Jul 20, 2009

休養日

長らく留守にしていました。 
空き家かな?と思われないように更新します。
すみれこ日記はgooにあります。
いまタイトルは「羽を休める鳥のように」です。

そうそう、羽を休めていたいです。
今日は祝日で仕事も休み。

本当は家族で外出予定だったけれど、
わたしの体調がイマイチで中止にしてもらいました。

人ってみんなある程度の「無理」をしながら日常をこなし、
バランスをとって生きていく。
でもたまに「がんばりすぎだよ」と穏やかに言ってくれる人に
出会ったりすると肩の力が抜け、
考え方や対応がゆるやかになり、
気持ちも安定しからだもらくになる。

そういうことを言ってくれるひとは、
貴重な存在でした。
ありがとう。
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Feb 16, 2009

きんかん

食卓の話題を続けてもうひとつ。 
仕事で知り合った女性に故郷から送られてきたからと、
きんかんを分けて頂いた。
幼い頃、すごく苦くてそれ以来遠ざけていた金柑。
よく見ると黄色くてつやつやしていてキュート。
早速パソコンで調べてジャムに挑戦。
ママレード金柑を思い浮かべながら、煮こぼしたり、
小さな種を取り除いたり、刻んだり、煮詰めたりしたら、
それらしいものが出来上がり、とりあえず満足。
ヨーグルトに入れたり、紅茶に入れたりして楽しんでいる。
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Feb 12, 2009

小さな緑

駅ビルの八百屋さんで初対面。 
芽キャベツとケールをかけ合わせた新野菜で、
「プチヴェール」というケーキのように可愛らしい名前。
たくさん入って一袋二百円!迷わず購入。
ケールといえばあの青汁、苦いかな?でも栄養ありそう・・。

洗って塩水でゆでてゴマドレッシングをかけただけで、試食。
ほんのりとした苦味と芽キャベツの甘味。
ドサッと付け合わせにだしたら家族も喜んで(珍しがって)食べてくれた。

残りのすこしは翌朝のサラダに・・。カフェオレのスナフキンの隣。
フランス語でプチヴェールは「小さな緑」という意味だそうだ。 090205_1127~0001
Posted at 21:47 in nikki | WriteBacks (2) | Edit

Feb 03, 2009

讃美歌

娘の結婚式で、思い出したのは父の告別式だった。 
教会で歌った賛美歌。

「いつくしみ深き 友なるイエスは
罪とが憂いを とり去りたもう。
こころの嘆きを 包まず述べて
などかはおろさぬ、負える重荷を。」

ふだん、教会とは縁のないわたしが父と永遠の別れをする時に
覚えた歌。
この歌を口にした途端、いろいろなことが、瞬時に
頭の中を駆け巡り始め、突然に涙がこぼれそうになった。
「ここで泣いたら、想いが溢れてとまらなくなる」
そう、あまりにも多くのことがあったから。。。

なるべく考えないようにした。
頭の中を空白にしようとがんばり、涙をせきとめた。
泣き虫のわたしを娘は心配していたに違いない。
笑顔で祝福してあげたかった。
もちろん、二人が計画した身内だけの結婚式&食事会には、
涙を誘うような演出もまったくなく、それは安心だった。
わたしは「花嫁の母」らしからぬフワフワドレスを着て、
参列者と間違われるし、娘たちとニコニコ写真を撮れば、
「三姉妹に見えるわよ」とおだてられて単純に喜んでいた。
Posted at 22:55 in nikki | WriteBacks (2) | Edit

Jan 18, 2009

結婚式

箱根のホテルはさすがに「由緒ある」という雰囲気だった。 
天気にも恵まれ、家族に見守られて、無事に結婚式が終わった。 DVC00028
Posted at 23:08 in nikki | WriteBacks (4) | Edit

Jan 13, 2009

今年の目標

①(なるべく)ものを紛失しない、いつも何かを探している生活を改善したい・・・・片づけが上手になるのはたぶんムリ、せめてどこに何を置いたとか、しまったとか、、対策を考える。

②ひとり旅がしたい、コドモはオトナになったし、母親もどうにか元気なうちに。。

③できるなら、もう少し体力をつけたい。歩ける老後、、?

④まだたくさんあるけど、それは、「目標」ではなく「希望」にかぎりなく近い気がする。
Posted at 23:48 in nikki | WriteBacks (0) | Edit

Nov 05, 2008

受け継がれるもの

どこかひとつにすればいいのに、三ヶ所にブログを書いているので、必ずどこかが留守になる。 
誰かひとりにすればいいのに、あちこちに好きなひとがいて、 「あれ、困ったな」と思っている昨夜の夢の中みたいだ。
夢の中で浮気なわたしは、気弱なおとこのひとのそばに寄り添っていた。「だいじょうぶ、あたしがいるわ」と言っていた。。。
そうか、寝る前に読んだ小説の影響かもしれない。

長女の結婚が決まり、彼女の「発表許可」を待って、まずミクシィで報告。心配してくださったみなさまにご挨拶、という意味で灰皿町日記の更新をようやく・・・・。事故のときは、この場があって、書くことによって、気持ちの整理をしていたと思う。
ご心配いただき、、、、ありがとうございました。


母親や祖母、叔母などから何かを受け継ぎ、身につけて挙式をすると 幸せになれるという。
バタバタと古い引き出しをひっくり返していたら、
わたしの母が「これでよければ・・・」と真珠の首飾りをサッとだしてくれた、、手品みたいに。。。。
病弱な孫娘をいつも心配してくれた母。

来年の一月には、 花嫁姿を見せることができる。 081105_1011~0001
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Sep 22, 2008

悲しい思い出

彼岸花の花言葉は「悲しい思い出」というらしい。 
不吉な花のようなイメージもあるけれど、わたしはこの 野性的な趣きがけっこう好きだ。
川崎のほうにある浄慶寺、羅漢さんと彼岸花のツーショット。 080921_1421~0001 080921_1437~0001
Posted at 21:50 in nikki | WriteBacks (2) | Edit
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