Aug 31, 2007

つくつくほうし

 
八月もおわり。  
小雨交じりの昼。  
第一の散歩コース。  
おやおや蝉の声。  
 
見上げる枝のなかほど。  
小柄のせみ。  
透明な翅。  
わが目がめずらしく姿をとらえた。
 
写メでは写らない大きさ。  
鳴き声なら写りそうだが。  
それでもシャッターを切る。
 
声を見、姿を聴き、  
飛び去った先を思う。  
《つくづく 放心。》   070831_1237~0001
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Aug 24, 2007

詩人の品格

 
最近,「国家の品格」とか「○○の品格」とかいう言い方がはやっているようだ。
 
では、「詩人の品格」ということもとりあげていいだろうか? それとも、そもそも品格のあるひとは詩人にはなれないのだろうか?

 下世話で恐縮だが、ぼく個人としては、(親しい詩人を除いての話だが、)いままで接したことのある詩人で一番品格を感じたのは谷川俊太郎さんだ。もともとファン意識が強いせいかもしれないが、近くで接しても凛とした雰囲気がただよっている。

 ぼくは、詩人に限らず、人間として品格を感じさせるひとが好きだ。「作品はいいが、人物はだめだ。」というようなことは信じられないほうだ。
 
魅力的な人物だからこそ、すぐれた作品も生み出せるし、いい仕事もできるんじゃないだろうか?というのがぼくの個人的な考え方である。
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Aug 22, 2007

夕景

 自然は偉大な芸術家だと思う。複雑な空の色。 070822_1806~0001
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Aug 21, 2007

灰皿町の感想

 
小生が灰皿町の住民として迎えていただいてから早くも3ヶ月あまりが経過した。
 
一応、すべての住民のすべてのページをざっとではあるが、訪問させていただいた。
 
みな個性的な住民だというのが第一印象だが、真摯に詩に向かい合っているというのが共通点だという気がする。
 
清水鱗造さんのITの造詣の深さとおっとりとした会長ぶりには感心させられている。
 
南川さんの詩の中に、ぼくとしては一番好きな作品を発見した。
 
桐田さんの人形をつかった作品や写真の腕の見事さにも感服している。
 
倉田さんの古典に通じた格調高いエッセイにも心が惹かれる。
 
鈴木志郎康さんの率直な発言と毎日の写真も楽しませてくれる。
 
海埜さんの5のつく日に更新されるエッセイも独特の香りのある文体に紛れ込むのが楽しみだ。
 
高田さんの読書感想文も女性らしいデリケートな視点が参考になる。
 
有働さんの翻訳詩は実にじょうずで自分が詩を書くときにも参考にさせてもらっている。
 
冨澤さんには、いきなり失言をしてしまったようで、申し訳なく思っている。
 
岡田さんは新住民ということもあって注目している。
 
そのほかのみなさんの書き込みも楽しみに読ませてもらっている。
 
なお、あまり書き込みされない住民もいらっしゃるようだが、できればそういう方々の発言も聞いてみたいと思う。
 
以上、灰皿町の住民の皆様へのお礼に代えてコメントさせていただきました。

 今後ともよろしくお願いします。    
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Aug 20, 2007

本の探し方

 
最近の出版物の点数は膨大なので、自分ひとりの力ではとても見切れない。それで、新聞や雑誌やテレビの書評や、ブログの記事や、口コミの情報を参考にしながら、本屋でざっと全体を眺めてみるというようなことをしている。
 
店頭でなんとなく気に入って手にとって見る本もある。ざっと斜め読みをする。面白そうかどうかをなんとなく判断する。特別に面白いと思わなければまず買わない。なにか調べたいことがあるときは別だが、そんな場合でも、本を買う前にインターネットで得られる情報をまずあたる。

 よく何万冊も蔵書がある作家や学者や評論家などの話がとりあげられる。すごいなともお金やスペースがたいへんだろうなとも思う。なにかを書くにはかなり徹底して調べる必要があることはなんとなくわかる。
でも、ぼく個人は、できるだけ、出版物に埋もれないようにしたいと思っている。
 
最近、ときどき図書館に行くようになった。必ずしも、見たい本がすべてそろってはいないが、借りたいときに借りて、返してしまえば、スペースがいらないのがいい。お金もかからないし。
 
それにしても、あらゆるジャンルの中からピンポイントですぐれた本を的確に見出すことは不可能だろう。
 
ある程度の取捨選択と情報収集努力と直感によって、できるだけ自分が必要としている本に出合えるように努めるのがせいぜいだという気がする。
 
それとよく思うのは、本には、「良書もあれば有害図書もある」ということだ。それは、小中学生に対するような意味合いではなく、だれにとっても無批判に本の内容を信じ込んではいけないという趣旨である。自分にとって薬になるか毒になるかは、医者ではなく、自分で判断するしかない。そういう情報処理能力がたいせつではないかということである。

 なんだかんだ言っても本は重要な情報源だ。わが感受性は衰えつつあるとはいえ、本屋に行くたびに、新しい出会いがないかというわくわく感はまだ失ってはいないみたいだ。  
Posted at 13:53 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Aug 19, 2007

狂言と詩

 
先日、テレビで、ある狂言師がインタビューに答える番組を見た。  
狂言のせりふや動作には「型」があるという。それは、演じる個人を超えて万人の共感をえるためのものだという。もし演者が自分の好きなように演じたとしたら、観客はひとごとのようにしか感じてくれないおそれがある。「型」を通じて演者だけでなく観客をも巻き込んだ感情の共有が可能になりやすい。普遍性と言い換えてもよい。  
また、「釣狐」という演目のさわりを紹介しながら、人間の理性と欲望の葛藤を、利口な狐が最後には油揚げに釣られてしまうというストーリーになぞらえて表現しているという話もあった。
 
詩も,どこかで個人を超えた感情表現を目指していると言う点では、狂言と通じるものがあるような気がした。自由詩といいながら、詩歌が、どことなく「型」を求めているような気がするのはそのせいかもしれない。
 
狂言師の話を聞きながらふとそんなことを思った。
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Aug 18, 2007

詩のソムリエ?

 
アルコールは強くないが、ワインファンである。特に、ボルドーの赤が好きだ。長年にわたって築かれた伝統というのは敬意を表する価値がある。カベルネ・ソーヴィニョンを主体とした渋み。いい葡萄を育てるテロワール(土壌)と気象条件と栽培者の技量。更に、ワイナリーのワイン醸造のノウハウ。飛びぬけた味覚。そんなものが複合されて初めて世界的に珍重されるグラン・ヴァンが産出可能となるのだろう。ワインもすぐれた文化と言ってよいと思う。

 ワインの味の鑑別士はソムリエだ。香水には聴香師がいる。  詩には批評家がいるということだろうか?
 
ある詩人と、『詩にもソムリエ(「ポエトリー・ソムリエ」とでも呼ぼうか?)がいればいいのにね』、という話をしたことがある。  
かれは、反対意見だった。『詩は、ひっそりと書くべきものだと思う。メジャーにならないところに詩を詩たらしめるゆえんがある。メジャーになって日の当たるところへ行き過ぎると詩の香りも味も落ちてしまうのではないか?』
 いろいろな考え方があっていいと思うが、ぼくは詩のソムリエ待望論者だ。きっと詩にも「目利き」はたくさんいるのだと思う。ただ、シャイなひとが多いせいか、あるいは、言挙げすることを嫌う向きが多数を占めるせいか、どうも詩についての評価というものが貧しい状況にあるような気がしてならない。
 
かれに言わせると、ぼくがエクセントリックだということになるらしいが、なかなか納得できなくて困っている。誹謗中傷は避けたいが、真摯な批評は詩を磨き活性化するのではないだろうか?  
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Aug 17, 2007

芥川賞受賞作「アサッテの人」

 今回の芥川賞受賞作「アサッテの人」が文藝春秋誌に掲載されている。そこには選考委員のコメントも掲載されている。推薦しているのは、小川洋子、池澤夏樹、山田詠美など。推薦に値しないといっているのが、石原慎太郎、村上龍、宮本輝。詩人なら、言葉の実験みたいな作風にプラスの評価をするだろうか?ぼくは、言葉の実験にこだわるタイプだと自分では思うが、ぼくが選考委員だったら、「アサッテの人」は推さないと思う。文学作品の評価はむずかしい。しかし、満場一致ではないというのも、文学作品の評価らしくていいかもしれない。要は、さまざまな意見が交換されるところに文学の意識が活性化される意義があるといえるのではないだろうか?詩についても活発な意見が交わされることを望みたいものだ。
Posted at 14:17 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Aug 16, 2007

お知らせ=「SPACE75号」希望者にお送りします!

  大家正志さんのふたば工房から出されている詩誌「SPACE」の75号が出ました。小生も参加しています。ふたば工房のHPでご覧いただけますので、灰皿町のみなさまもぜひアクセスしてみていただけますか?
なお、上記75号の印刷物が手元に若干部数ありますので、ご希望の方は小生あてにお知らせくださればお送りいたします。  cf. 「ふたば工房」

夏空

  きょうの東京は暑い!いつもはランチタイムに散歩をすることにしているが、きょうはやめた。蝉の声も暑さも、写真には写らない。写真をとることを考えすぎて現実を見るのがおろそかになってはいけないが、きょうは、写メをとろうとして空を見上げたら、さまざまなかたちの雲を発見したので、写メはほったらかして、雲の観察を楽しんでしまった!きっかけとしての写真ならいいと思う。 070816_1221~0001
Posted at 13:04 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Aug 15, 2007

詩の評価について

 
詩の評価について、あるひととこんな話をしました。
 
A:「フランス料理のシェフが、一人前のシェフになるためには、長くてつらい修行を重ねることが必要です。先輩にしごかれながら、歯を食いしばって努力を続けてはじめて、美味の極地へと達することができるのです。詩もまたそのように、きびしい修行をへてやっと芸術性の高みへと到達できるのではないでしょうか。きびしく批評されないで、いい詩を書けるようになることは難しいのではないでしょうか。」
 
B:「時と場合によるのではないでしょうか。詩の教室とか、親しい仲間での合評会とかでなら、忌憚のない発言も許されるでしょうけど、それほど親しくないひとに対して、欠点をあからさまに指摘したら、かえって、傷ついて、拒否反応を招いてしまうのではないでしょうか。やはり、いいところを見つけて、ほめることがたいせつではないでしょうか。それによって、ほめられたひとは自信を持ち、成長します。ほめてくれたひとに好意も持ちます。成長することを通じて、自分の欠点にも気がつき、他者からの厳しい指摘を受け止める余裕も生じるのではないでしょうか。」
 
A:「たしかに、ほめ上手っていうのはたいせつだと思います。でも、芸事には、必ず厳しい稽古がつき物です。シェフがどうやっておいしい料理を作れるかを追求するのと同じように、歌舞伎役者は師匠に何度も叱られながら、せりふや身振りが上達するでしょうし、詩もまた、厳しい批評にさらされることにより、言語表現の高みに上ることができるのではないでしょうか。もちろん、ほめることも必要ですが、欠点はきちんと指摘するのが、真の意味での親切心なのではないでしょうか。」
 
B:「欠点を指摘してもいいだけの人間関係が存在すればいいですけれど、そうでない場合は、欠点を指摘されたら萎縮したり反感を買ったりするだけで、お互いになんのプラスにもならないと思います。批評はたいせつですけれど、やはり人間関係に応じた適切な対応をすることが必要なのではないでしょうか。」

以上。
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Aug 10, 2007

やった!

 やっと蝉の姿をとらえることができた!
子供のように喜んで写メを一発!
くたびれた蝉だったかもしれない。
こころなしか元気がなかった。 070810_1710~0001
Posted at 17:55 in n/a | WriteBacks (2) | Edit

Aug 08, 2007

稲の花

  
きょうとある田んぼに近づいて見たら、青々とした稲の葉の中に花らしいものが咲いているのに気がついた。
 
聞けば、それが稲の花だという。
 
あと一月もすれば稲穂が実り、収穫のときを迎えるのだそうだ。
 写メでははっきり見えないけれど、稲穂のように見える部分が稲の花らしい。
 
天気がいい日に、ちょっと都会を離れるのもいいもんだ。 070808_1624~0001
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Aug 07, 2007

 
木立のかたわらを通り過ぎるとき、一段と蝉の鳴き声がにぎやかに感じられる季節ですね!
 
ぼくはあまり視力がよくないので、木を見上げてもなかなか蝉の姿が見つかりません。声はすれども姿は見えず。
 
それにしても、環境問題が深刻化する中、蝉は、こんな都会の中でも、たくさん生まれて、「ジージー」とか「ミンミン」とか「ホ-シツクツクホーシ」とか、うるさいほどに鳴き声を競っています。
 
短い一生を惜しむかのような蝉時雨を浴びながら、ぼくもまた、自分の鳴き声を探しているのだろうか?あるいは、無意識に自分の鳴き声を発しているのだろうか?
 
ふと、そんなことを考えてしまいました。     
Posted at 14:37 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Aug 06, 2007

ランチタイム

 
職場の近くにあるお店の中からいくつか気に入ったところを見つけてランチをとる。  
きょうは讃岐うどん屋。冷やしたぬきうどんを注文することが多い。  
カウンター席に座ってふと見ると、小さな花が目にとまった。花の名は知らないが、さざえの壷に植えてあるのが興味を引いた。ちょっとした工夫がおもしろいと思った。そういう気遣いのできるひとがやっているお店ならおいしいうどんが食べられるのも当然か、などとひとりで納得していた。  
冷やしうどん?・・・おいしかったですよ、もちろん(笑)! 070806_1216~0001
Posted at 12:58 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Aug 03, 2007

アイロン


 みなさん、南川優子さんの作品を読まれましたか?  
どんな感想をお持ちでしょうか?    
念のためここに引用させてもらいます。
=======================
 
アイロン

浮きたいと思うと
身が重く 熱くなり
ますます沈んでしまうのであった
朝のニュースが終わると
ちぢれた布の上に
うつぶせになる
今日は ワイシャツ
ずっとこうして 動かずにいれば
焼き跡を残すこともできるが
尾から電気を 流し込まれると
前に進むしかなく
青い縦じまを 黙ってたどる

袖口を一周してから
肩に向かって徐行する間
体の下で 空間が潰れ
脇の下の湿った縫い目が
じゅっといううめきを最後に
口をつぐむ
浮いたかと思うと
まっぷたつに割れる胸に
ふたたび着地
ボタンを鳴らしながら
聴診器のように あてどなく滑る

ワイシャツは 身をひるがえし
うつぶせになるけれど
広い背中に どこから入っていいのか
わからず
どう、と馬乗りになって
横揺れに身もだえすると
青い縦じまは ハープの弦のように 切れ
この鉄の体は 落下する
じっと
カーペットにぶつかる瞬間を
待っていたら
この部屋に底はなく
静かな闇に 沈み続けるだけだった
縦じまが はじける音色だけが
遠くでぷつぷつ聞こえる
ワイシャツは 勝利のマラソンランナーのように
手を上げて
この身が沈むのと 同じ速さで
浮いていった

ナタリヤ・ゴンチャロバ「リネン」を見ながら

=======================
 
シャツにアイロンをかけるということをこんなにおもしろく 表現できるとはすごいと思う。  
アイロンの動きと、シャツの動き、そしてアイロンをかけているひとが、さながら念力でアイロンを動かしているようなふしぎな距離感、当人は透明人間になったみたいだ! 一種の擬人法か?
 
この精密な観察力と精巧な表現技巧、さらにイメージの展開のたくみさ・・・何度読んでも感心してしまう!  
最近読んだ詩の中では出色のできばえだと思う。
Posted at 10:24 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Aug 02, 2007

南川優子さんの詩作品!

  
灰皿町の住民の家々を訪問するのは意外な発見があって楽しい散歩道だ。  
最近見つけた詩の中では、南川優子さんの作品にとても惹かれている。  
「そふと」という南川さんのHPにある、「アイロン」という詩は最高傑作だと思っている。そして、最近アップされた「テーブルクロス」という作品もとてもよい仕上がりだと思う。  
ほかの方々はどう思われますか?
Posted at 16:30 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

批評の場

7月23日の鈴木志郎康さんの日記に触発されて、マイブログに、「愛の鞭」という記事を書きました。「南原充士の芸術随想=『越落の園』」参照
Posted at 11:51 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

某ホテル

都心のホテル。政治的な会合にもよく使われているようだ。 070802_0929~0001
Posted at 10:58 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Aug 01, 2007

スカイライン

きょうの都心の空。こんな感じの空間で毎日過ごしている。
心がすさんでこないようにするのもなかなか骨が折れる。 070801_1235~0001
Posted at 13:04 in n/a | WriteBacks (0) | Edit
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