Aug 15, 2007
詩の評価について
詩の評価について、あるひととこんな話をしました。
A:「フランス料理のシェフが、一人前のシェフになるためには、長くてつらい修行を重ねることが必要です。先輩にしごかれながら、歯を食いしばって努力を続けてはじめて、美味の極地へと達することができるのです。詩もまたそのように、きびしい修行をへてやっと芸術性の高みへと到達できるのではないでしょうか。きびしく批評されないで、いい詩を書けるようになることは難しいのではないでしょうか。」
B:「時と場合によるのではないでしょうか。詩の教室とか、親しい仲間での合評会とかでなら、忌憚のない発言も許されるでしょうけど、それほど親しくないひとに対して、欠点をあからさまに指摘したら、かえって、傷ついて、拒否反応を招いてしまうのではないでしょうか。やはり、いいところを見つけて、ほめることがたいせつではないでしょうか。それによって、ほめられたひとは自信を持ち、成長します。ほめてくれたひとに好意も持ちます。成長することを通じて、自分の欠点にも気がつき、他者からの厳しい指摘を受け止める余裕も生じるのではないでしょうか。」
A:「たしかに、ほめ上手っていうのはたいせつだと思います。でも、芸事には、必ず厳しい稽古がつき物です。シェフがどうやっておいしい料理を作れるかを追求するのと同じように、歌舞伎役者は師匠に何度も叱られながら、せりふや身振りが上達するでしょうし、詩もまた、厳しい批評にさらされることにより、言語表現の高みに上ることができるのではないでしょうか。もちろん、ほめることも必要ですが、欠点はきちんと指摘するのが、真の意味での親切心なのではないでしょうか。」
B:「欠点を指摘してもいいだけの人間関係が存在すればいいですけれど、そうでない場合は、欠点を指摘されたら萎縮したり反感を買ったりするだけで、お互いになんのプラスにもならないと思います。批評はたいせつですけれど、やはり人間関係に応じた適切な対応をすることが必要なのではないでしょうか。」
以上。
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