Jan 10, 2025
ホテル・ナジャで
サラは着替えを済ませた。
ガラス戸を開けると、
程よい熱気と風が吹き込んできた。
リンリンが紅茶を運んできてくれた。
ありがと。
ハリー夫妻がお戻りになったようですよ。
サラは挨拶をしに、
フロントまで出て行った。
やあサラ。
今年もよろしくね。
と言われている。
散歩から帰ってきて
一休みしようと思ってたところだ。
もしよかったら僕らの部屋に来ないか。
どの部屋も似た感じみたいだけど、
このテラスからは結構眺めがいいだろう。
私は去年一度アイスとフミコと一緒に、
出来上がったばかりのこのホテルに
来たことがあるんですけど、
その時は山上のストーンサークルから直接魔法で来て、
ホテルを見学してすぐに帰ったので、
このあたりのことは全然知らないんです。
私たちも似たようなものよ。
去年、フミコに招待されて高台の遺跡を訪れ、
近くの山頂にあるというストーンサークルを訪れただけ。
ホテルやマークの集落のあるこのあたりには
初めて来たの。
暮れからずっとホテルに逗留して毎日散歩してるから、
少しづつ様子がわかってきたけどね。
ジャングルの中はとても無理だけど、
マークの集落だったら案内してあげられるよ。
集落の住民たちとも結構知り合いになれたし。
とハリーが言った。
ありがとうございます。
でもちょっとこれから一人でうろついてみます。
成果は明日にでも。
そう言ってサラは席を辞したのだった。
解説)
続きます。