Jun 07, 2024
高台の集落
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一行は緩やかな起伏のある
高台を歩いている。
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野性の花々が群生している。
先頭を歩いていた佳奈は、
あれは。
と思わず声を上げた。
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どうしたの?
今、こっちの方にゴリラがいたんです。
確かこの地域では珍しくないはずだよ。
それが、白っぽい服を着ていたんです。
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このあたり、土が踏みならされて
道になっていますね。
もう集落の近くだからね。
とアイスとラッセルが話している。
私の見間違いだったのかなあ。
と佳奈は思っている。
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あそこにいるのは普通の猿だし。
![b6](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240607205414.files/b6.jpg)
佳奈のしょんぼりしている様子を見て、
ラッセルが声をかけた。
そういえば集落には
頭のいいゴリラがいるっていう噂を
聞いたことがあるよ。
君の見たのはそれだったかもしれない。
そうなんですか。
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似たような平坦な景色ですけど、
道幅がだんだん広くなってますね。
もうまもなく着くはずだ。
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民家が見える。
目的の集落に到着したようだ。
![b9](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240607205414.files/b9.jpg)
男がじっとこちらを見ている。
![b91](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240607205414.files/b91.jpg)
ラッセルは両手をあげて、
何か奇妙な言葉を告げた。
背後で家の住人が興味深そうに見ている。
![b92](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240607205414.files/b92.jpg)
男も両手をあげて何か言っている。
![b93](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240607205414.files/b93.jpg)
今のはなんだったんです。
挨拶をしたんだよ。
両手を上げるのは敵意がないことを示す
仕草なんだ。
前に来たことを覚えてくれていたようで、
クラウドなら家にいると言っていた。
ああいう人たちばかりなんですか?
彼は特別。
この集落のことを知った現地人が、
稀に移住してくるみたいなんだ。
解説)
続きます。
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