Jun 07, 2024
高台の集落
一行は緩やかな起伏のある
高台を歩いている。
野性の花々が群生している。
先頭を歩いていた佳奈は、
あれは。
と思わず声を上げた。
どうしたの?
今、こっちの方にゴリラがいたんです。
確かこの地域では珍しくないはずだよ。
それが、白っぽい服を着ていたんです。
このあたり、土が踏みならされて
道になっていますね。
もう集落の近くだからね。
とアイスとラッセルが話している。
私の見間違いだったのかなあ。
と佳奈は思っている。
あそこにいるのは普通の猿だし。
佳奈のしょんぼりしている様子を見て、
ラッセルが声をかけた。
そういえば集落には
頭のいいゴリラがいるっていう噂を
聞いたことがあるよ。
君の見たのはそれだったかもしれない。
そうなんですか。
似たような平坦な景色ですけど、
道幅がだんだん広くなってますね。
もうまもなく着くはずだ。
民家が見える。
目的の集落に到着したようだ。
男がじっとこちらを見ている。
ラッセルは両手をあげて、
何か奇妙な言葉を告げた。
背後で家の住人が興味深そうに見ている。
男も両手をあげて何か言っている。
今のはなんだったんです。
挨拶をしたんだよ。
両手を上げるのは敵意がないことを示す
仕草なんだ。
前に来たことを覚えてくれていたようで、
クラウドなら家にいると言っていた。
ああいう人たちばかりなんですか?
彼は特別。
この集落のことを知った現地人が、
稀に移住してくるみたいなんだ。
解説)
続きます。
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