Apr 21, 2024
ジェーンの世界 帰還
![a1](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240421202913.files/a1.jpg)
ジェーンが投げ上げた紐を伝って、
3人はサイドテーブルの上に
登って行った。
エリコは花瓶に生けられた小枝に
器用に体を絡ませて見下ろしている。
![a2](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240421202913.files/a2.jpg)
モモコ、あなたたちは今
とても危険な状態にあるの。
居間の隅にある扉のついた建物。
あれが見つかれば大変なことになるのよ。
あ、うん。
でもエリコはどうして私がここにいるって
わかったの?
私はいつもあなたの心の中にいる。
と言っても、私の体は迷いの森にあるんだけど。
あなたがどこにいるのか位はわかるのよ。
あなたは第二のお母さんだからね。
そう言ってエリコは微笑んだ。
それで急いでやってきてみたら、
すごく危ないことになってた。
![a3](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240421202913.files/a3.jpg)
エリコの忠告を受けて、
二人は元の世界に戻ることにした。
慌ただしかったけど、楽しかった。
テレビ体操も覚えたし。
また遊びに来るからね。
とモモコが言っている。
![a4](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240421202913.files/a4.jpg)
二人の姿が鏡の扉の中に
吸い込まれるように消えると、
魔術劇場も消えてしまった。
![a5](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240421202913.files/a5.jpg)
モモコたちは、
魔術劇場の応接間に帰り着いた。
やあ、おかえり。
それはなんだね?
とハリーが言っている。
![a6](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240421202913.files/a6.jpg)
モモコは異世界での出来事をハリーに話した。
なるほど、忠告してくれたエリコというのは、
迷いの森に住む生き物で、
君たちの行った世界は、
迷いの森とも繋がっているんだね。
迷いの森の奥にあの世界があって
エリコたちだけが通れる通路があるんです。
ふむ。私たち魔族の先祖が、
迷いの森からやってきたという
古い言い伝えがあるんだ。
もしかすると、その世界が
私たち魔族の故郷かもしれないなあ。
じゃあ、ジェーンは、
魔族のご先祖様の一族かもしれないですね。
魔法なんて全然使えないみたいですけど。
ふむ。
このクラッカーうまいなあ。
それで、トマソン氏はいかがでしたかな。
![a7](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240421202913.files/a7.jpg)
ジェーンにもらったイチゴを食べて、
ここが夢ではなくて現実だと実感した時から、
なんだか自分が変わったような気がしていたんです。
そうしたら、こっちの世界で眠っていた筈の
僕の体が消えちゃったって、モモコさんに教えられて。
ふむ。モモコさんが探しに行かなければ、
それこそ神隠しに合うところでしたな。
感謝してます。
オブジェのヒントは見つからなかったんですが、
向こうではジェーンに色々案内してもらったんです。
あれ作ろうかなあ。
![a8](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240421202913.files/a8.jpg)
ハリーへの報告を済ませてモモコが
魔術劇場から出ると、
広場はかわりなくぼちぼち賑わっていた。
![a9](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240421202913.files/a9.jpg)
その透明なレインシューズ
かっこいいわね。
と舞に言われている。
解説)
長いようであっという間の、
モモコたちの冒険が終わったのでした。
WriteBacks
http://haizara.net/~shimirin/blog/kirita/blosxom.cgi/20240421202913.trackback
writeback message: Ready to post a comment.