Haizara-Cho::Suigara-yama 99[Shinsuke Kirita]

春風に吹かれて　そのよん

探偵事務所では
制作中の装置について、
あれこれと話が盛り上がっている。




もともとこの装置を作るきっかけになったのは、
エリスがみた夢の話をしていたのが発端だった。
話を聞いていたロボットのドロレスが
私もいつか夢というものがみてみたいと言い出して、
記憶を再構成した世界を体験できるような、
そういう装置を作ればいいんだよ。
とミューが言い。




シェリー博士が、
それって人間にも適応できるかしら。
と言って、研究所の施設の一画を、
装置の開発用に提供してくれることになったのだった。




事務所が立て込んでいることもあり、
探偵助手の鷲尾翠は階下に降りてきた。




バグとミラがベンチで
気持ちよさそうに春風を浴びている。
この人たちいつお勤めに行ってるのかしら。
と翠は思っている。




鷲尾翠は普段は探偵助手をしているが、
実はCGのメンバーであり、
密かに情報収集も行っている。




この界隈の住民たちがよく利用する喫茶店ペンギンは
そんな活動にうってつけの場所なのだった。




喫茶店には、
なぜかずっと通い詰めて
いつも新聞を読んでいる常連客がいて。




いつか二人は話を交わすようになった。
今では彼は貴重な情報提供者なのだった。

あ、ペンギンブレンドお願い。




二人はヒソヒソ話をしている。

魔王メイヴの復活か。
ほら話じゃないんでしょうね。
二人とも真剣な様子で話してたよ。
本当だとしたら、貴重な情報よ。
ありがとう、あとはこっちで調べる。
お礼に新聞代とコーヒー代半年分奢るわ。
太っ腹だね。
経費で落とせるから。



解説）
喫茶店の常連客は、
2021年４月2日「探偵の思い出したこと」
の頃から店に来て、
ずっと新聞を読んでいるようです。
こういう話で
エピソードに絡めるとは。