May 18, 2023
船長の話
![b1](/~shimirin/blog/kirita/entries//20230518202500.files/b1.jpg)
幽霊船の船長は、
デジャで、船員募集に興味を示した、
ラッセルたちと話をしている。
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ラッセルは、
友人で夢見の水の盗掘人ピエールにも、
声をかけたようだ。
報酬は魅力的ですが、
幽霊船って航海の目的はなんですか?
と訊いている。
![b3](/~shimirin/blog/kirita/entries//20230518202500.files/b3.jpg)
海賊といえば、商船を襲撃して
金品の強奪をするとか思うだろう。
あにはからんや宝探しだよ。
ロマンだよロマン。
宝探しなら、私の本業なんです。
とラッセルが言っている。
この伝説のクリスタル真珠も、
どこかに埋蔵されていた秘宝なんでしょうか。
![b4](/~shimirin/blog/kirita/entries//20230518202500.files/b4.jpg)
ふむ。こういうものなら、
ゴロゴロ転がっているところを知っているよ。
それは素晴らしい。
ところで船はどの港から出港するんですか。
![b5](/~shimirin/blog/kirita/entries//20230518202500.files/b5.jpg)
船長は真珠を仕舞い込むと、
袋の中から古びた巻貝と、しわくちゃの紙と
ペンを取り出してテーブルに置いた。
港まで行く必要はない。
この契約書にサインしてくれれば、
この貝殻を差し上げよう。
家に帰って眠る時に、この貝殻を耳に当てて、
目を閉じると聴こえてくる潮騒に
じっと耳を傾ければいいんだ。
するとそこはもう。
![b6](/~shimirin/blog/kirita/entries//20230518202500.files/b6.jpg)
すごく怪しげだけど、
サインするだけでいいなら
悪くない話だなあ。
などとピエールたちがいうのを、
それまで店の隅でレイラと話し込んでいた
ヴィヴィアンが聞いていて、
立ち上がった。
![b7](/~shimirin/blog/kirita/entries//20230518202500.files/b7.jpg)
失礼。ちょっと伺いますけど、
あなたは人間ではないですね。
さまよえる溺死者の魂って
いうところかしら。
なんということを。
あなたはどなたです?
私はヴィヴィアン。
この店のオーナーみたいなものよ。
たぶんあなたは寂しくて
幽冥界を彷徨う航海の
仲間が欲しいだけなのでしょう。
生者を騙してはいけません。
![b8](/~shimirin/blog/kirita/entries//20230518202500.files/b8.jpg)
な、何を証拠に。
私は仮面をつけた頭蓋骨なんて
よく見慣れてるの。
とヴィヴィアンは言った。
![b9](/~shimirin/blog/kirita/entries//20230518202500.files/b9.jpg)
ヴィヴィアンは船長の顔を覗き込んで、
呪文を唱え始めた。
解説)
慌ただしい展開に。
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