May 18, 2023
船長の話
幽霊船の船長は、
デジャで、船員募集に興味を示した、
ラッセルたちと話をしている。
ラッセルは、
友人で夢見の水の盗掘人ピエールにも、
声をかけたようだ。
報酬は魅力的ですが、
幽霊船って航海の目的はなんですか?
と訊いている。
海賊といえば、商船を襲撃して
金品の強奪をするとか思うだろう。
あにはからんや宝探しだよ。
ロマンだよロマン。
宝探しなら、私の本業なんです。
とラッセルが言っている。
この伝説のクリスタル真珠も、
どこかに埋蔵されていた秘宝なんでしょうか。
ふむ。こういうものなら、
ゴロゴロ転がっているところを知っているよ。
それは素晴らしい。
ところで船はどの港から出港するんですか。
船長は真珠を仕舞い込むと、
袋の中から古びた巻貝と、しわくちゃの紙と
ペンを取り出してテーブルに置いた。
港まで行く必要はない。
この契約書にサインしてくれれば、
この貝殻を差し上げよう。
家に帰って眠る時に、この貝殻を耳に当てて、
目を閉じると聴こえてくる潮騒に
じっと耳を傾ければいいんだ。
するとそこはもう。
すごく怪しげだけど、
サインするだけでいいなら
悪くない話だなあ。
などとピエールたちがいうのを、
それまで店の隅でレイラと話し込んでいた
ヴィヴィアンが聞いていて、
立ち上がった。
失礼。ちょっと伺いますけど、
あなたは人間ではないですね。
さまよえる溺死者の魂って
いうところかしら。
なんということを。
あなたはどなたです?
私はヴィヴィアン。
この店のオーナーみたいなものよ。
たぶんあなたは寂しくて
幽冥界を彷徨う航海の
仲間が欲しいだけなのでしょう。
生者を騙してはいけません。
な、何を証拠に。
私は仮面をつけた頭蓋骨なんて
よく見慣れてるの。
とヴィヴィアンは言った。
ヴィヴィアンは船長の顔を覗き込んで、
呪文を唱え始めた。
解説)
慌ただしい展開に。
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