Sep 02, 2022
ジルの別荘で そのに
別荘に逗留する事になったアンジーは、
ヴィヴィアンと話している。
魔術劇場に同居してた皆さんは、
そのまま町に?
それがね。
一応留守番をジャンヌ叔母さんと
マリアが引き受けてくれたんだけど、
ハリーは全く放任主義だから、
たぶんこっちに来ると思うの。
特にあの二人は。
その時下の別荘の入り口の方で
人の声が聞こえた。
ここのお宅ですよ。
とヘルミーナが言っている。
イリヤとヨシフが
カーミラやヴィヴィアンのいる
別荘に来たがったので、
ここに遊びにきたことのある、
ヘルミーナが案内してきたのだった。
ヘルミーナさんが、
男性お二人と一緒に
いらっしゃってますが。
やっぱり来ちゃったのね。
私の美の力は偉大だわ。
ふむ。予想はしていたが、
賑やかになりそうですまないね。
とハリーは言った。
部屋は幾つも空いてますから
全然大丈夫です。
それより最近大きい昆虫を
よく見かけるんで、
気をつけてください。
前からこのあたりによくいるの?
どうも迷いの森から
飛んでくるみたいなんですよ。
去年、大雨で境界のフェンスのある崖が崩れて、
森林公園に大量に侵入したことがありました。
迷いの森には大きな昆虫が住んでいるらしい。
害虫じゃないですが、気持ち悪いので、
あまり近づかない方がいいですよ。
管理人のエドワードが去った後で
二人が話している。
生き物を大きくする魔術というのは、
人の意識や想像力にとって、
ある意味すごく根源的なものなんだ。
世界のスケールを変える事にもつながるからね。
アリスの体が縮んで不思議の国を冒険したり
床下で小人たちが暮らしていたり。
迷いの森はそういう物語みたいな世界と
繋がっているっていうこと?
沢山の世界と繋がっている可能性がある。
私たち魔族の故郷も、そのうちの
ひとつなんだと思うよ。
なんか聞き慣れない蝉の声ね。
と言っている。
池の淵のかしいだ古木の幹に、
虎柄の模様の巨大な蝉が
しきりに夏を惜しんで鳴いていた。
解説)
いつもながら、
行き先も見えないまま
少しずつ時が進行しています。
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