Nov 29, 2007
鏡の国のアリスとオリーブ そのいち
第一章 鏡の家
オリーブは、飼い猫のダイナと彼女の二匹の子供たち
(黒い子猫キティと白い子猫)と一緒に、応接間にいます。
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黒い子猫はオリーブの巻くつもりだった毛糸の玉にじゃれついて。。
「毛糸はもつれ、こんぐらがって、
暖炉の前の絨毯いちめんにひろがって、
そのまんなかで子猫は自分のしっぽと追っかけっこしてるありさまです。」
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大きな肘掛け椅子のすみで、
オリーブは黒い子猫にいろいろ話しかけています。
「キティ、あしたは何の日だか知ってる?」
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もし鏡の中のお家に入っていけたらいいねと、
キティに、はなしてかけていたオリーブは、
きがつくと、なぜか暖炉の棚のうえにのっていました。
「どうやってのぼったのか、自分でもわかりません。
そして、たしかに鏡はまるであかるい銀色のもやみたいに、
溶けかかっていました。」
「つぎの瞬間、アリスは鏡をくぐりぬけて、
むこう側の部屋にかるがるととびおりていました。」
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オリーブはあたりをみまわしていて、
チェスの駒が二人ずつ組になって 動きまわっているのに気がついて驚きました。
「あっちじゃ白の王さまと女王さまがシャベルのふちにこしかけてるし----
あら、お城(ルーク)が二つ、腕組んであるいてる----
このひとたち、あたしの声なんかきこえないみたい」
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白の歩兵が倒れているのを王さまたちが助けようとしているのをみて、
オリーブも、彼らの手助けをしようとしました。
「アリスはそこで王さまをなるべくそうっと持ちあげ、
息切れさせないように、
女王さまのときよりもっともゆっくりと宙をはこんでいきました。」
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オリーブは白の王さまがメモ帳に書き付けているのをみて、
鉛筆の尻をつかんで、
ちょっと思いついたことを、王さまにかわって書きました。
「「白のナイトが火かき棒をすべりおりています。
あぶなっかしくておっこちそう」」
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オリーブはテーブルのうえの本を開いて、鏡文字で書かれていた、
「ジャバウォッキ」というタイトルの詩をよみました。
詩にはジャバウォッキという怪物を退治する物語が書かれています。
「「ずいぶん面白そうじゃない」アリスは読み終わって、つぶやきました。
「だけどけっこうわかりにくい」、、、
「----でも、ともかくだれかが何かを殺したことだけはたしかよ----」
つづく
解説)今回の「」の中の言葉は、『鏡の国のアリス』
新潮文庫版(矢川澄子訳)を引用させてもらい、
ですます調に変えてあります。
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