Feb 27, 2022
春をまつロボット そのよん
![a1](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220227210534.files/a1.jpg)
認識システムをノーマルモードして、
このお面と名前の設定を。
ロイドでしたよね。
君はロイドだ。
ハイ。
![a2](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220227210534.files/a2.jpg)
おまけのお面だし、
どんな状況できりかえるのかは、
まかせちゃうからね。
ワカリマシタ。
![a3](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220227210534.files/a3.jpg)
ということで、と博士はいった。
お面の装着作業でお世話になったが、
実はもうひとつ頼みたいことがあって。
今回、試験的に一定期間、このロボット、アンに
自由に行動をさせてみることにしたんだが、
さすがに管理者不在というわけにもいかず、
かといって管理者同伴では自由行動にならない。
そこで、それとなくアンの言動を見守ってくれる、
保護者のような人がいれば安心かなと。
それと、夜間も屋外に放置というわけにはいかず、
どこか家のような場所があれば安全かなと。
![a4](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220227210534.files/a4.jpg)
ようはドルフィンで居候状態で
しばらく預かってほしいということですね。
とルビーはいった。
![a5](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220227210534.files/a5.jpg)
さすがにわが研究所が提携しているCGのメンバー。
中でも傑出した才能とうたわれる
優秀なルビー君だけのことがあって、
のみこみがはやい。
そんなにおだてなくても
誰でもわかりますよ。
![a6](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220227210534.files/a6.jpg)
うちは全然かまいませんよ。
と、ドルフィンのマスターはいった。
それはありがたい。
この地区でのアンの自由行動のことは
シティポリスにも伝えてあるから、
不審者扱いされる心配はないし、
なにか問題が発生した場合、
連絡いただければ、すぐ回収にきます。
と助手のレイチェルがいった。
ふつうに話しかけたり、遊んだりして
いいんですか。
とアイスがいった。
ごく普通の居候のように
応対していただければ。
アンは、すでに人並みの知能を
そなえていますが、自然な人間との交流で
どんな変化が起きるかは未知数です。
そういう変化のデータを収集する
試みでもあるのです。
![a7](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220227210534.files/a7.jpg)
研究所の二人が帰って日が暮れ、
檬果亭の看板に明かりが灯っている。
![a8](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220227210534.files/a8.jpg)
アンはぽつんとひとりで
広場に佇んでいた。
![a9](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220227210534.files/a9.jpg)
アンさん。
![b1](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220227210534.files/b1.jpg)
あなたのお家はここですよ。
解説)
こまごまとした
出来事が重なるうちに、
季節はすこしずつ春に。
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