Feb 27, 2022
春をまつロボット そのよん
認識システムをノーマルモードして、
このお面と名前の設定を。
ロイドでしたよね。
君はロイドだ。
ハイ。
おまけのお面だし、
どんな状況できりかえるのかは、
まかせちゃうからね。
ワカリマシタ。
ということで、と博士はいった。
お面の装着作業でお世話になったが、
実はもうひとつ頼みたいことがあって。
今回、試験的に一定期間、このロボット、アンに
自由に行動をさせてみることにしたんだが、
さすがに管理者不在というわけにもいかず、
かといって管理者同伴では自由行動にならない。
そこで、それとなくアンの言動を見守ってくれる、
保護者のような人がいれば安心かなと。
それと、夜間も屋外に放置というわけにはいかず、
どこか家のような場所があれば安全かなと。
ようはドルフィンで居候状態で
しばらく預かってほしいということですね。
とルビーはいった。
さすがにわが研究所が提携しているCGのメンバー。
中でも傑出した才能とうたわれる
優秀なルビー君だけのことがあって、
のみこみがはやい。
そんなにおだてなくても
誰でもわかりますよ。
うちは全然かまいませんよ。
と、ドルフィンのマスターはいった。
それはありがたい。
この地区でのアンの自由行動のことは
シティポリスにも伝えてあるから、
不審者扱いされる心配はないし、
なにか問題が発生した場合、
連絡いただければ、すぐ回収にきます。
と助手のレイチェルがいった。
ふつうに話しかけたり、遊んだりして
いいんですか。
とアイスがいった。
ごく普通の居候のように
応対していただければ。
アンは、すでに人並みの知能を
そなえていますが、自然な人間との交流で
どんな変化が起きるかは未知数です。
そういう変化のデータを収集する
試みでもあるのです。
研究所の二人が帰って日が暮れ、
檬果亭の看板に明かりが灯っている。
アンはぽつんとひとりで
広場に佇んでいた。
アンさん。
あなたのお家はここですよ。
解説)
こまごまとした
出来事が重なるうちに、
季節はすこしずつ春に。
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