Aug 17, 2021

夜の窓 そのに

d1

司令部の建物の右隣にあるのが、
通信施設のあった家で、
かって連合軍の爆撃を受けて半壊しました。

いまは修繕されて、
人が住んでいる、っていう設定ね。
と、たまきがいった。


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その時破壊された屋内を
窓から撮影した画像です。

これ雰囲気ありますね。
とエトナがいった。

これでおわりなんだけど。
ちょっとものたりなかったかな。
とジャンいった。

ものたりないんじゃなくて、
なにかたりないんじゃないの。
という声がした。


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私の家は?
壁際にリリスがたっていた。


d4

あれ、いつのまに。
また夢見の水飲みすぎたかな。
と、たまきがいった。


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そうか。
ドイツの村の設定時には
リリスの家はまだ建ってなかったんで、
個別に紹介するの忘れてたよ。
といってジャンはパソコンにむかった。


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この画像をトリミングして、と
こんな感じでどうかな。

コメントは、
この屋敷は、魔女リリスの住む家で、
祟りを恐れてドイツ兵もよりつかない。
と、たまきがいった。

それじゃあちょっと違うなあ。
きびしい戦時中だからこそ、
村民が憩いや集いの場にしようと
協力して建てた家。
ということにしよう。


d7

一階はもちろん酒場にしてね。
マーウェンコルの酒場「破れストッキング」みたいに。

この家の窓、多くない?
昼間見たときはもっと少なかった感じがしたけど。
とナオミがいった。

うん。昼間は外壁に隠れてみえないけど、
夜に明かりが灯ると透けて見えるようになる。
本当は素材が原因なんだけど、
夜だけ華やかな雰囲気になるのは、
魔法みたいでいい感じだね。

酒場にもあってるよ。
とたまきがいった。
エトナはこわくて固まっている。

あ、エトナさんは、はじめてだったね。
こちらはリリス。
この倉庫が人形の家だったころから、
ここにずっと住んでいる人形の。
人形の精っていうか、なんていうか。


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あ、よろしくね。
それから、またひとつたのみがあるの。
私もジオラマ展みたいから、
今度つれていってくれない?
とリリスは言った。

いいけど、どうやって。
とジャンは言って、
ちょっと考え込み、
そうか。人形をもっていけばいいんだね。
と言った。

リリスはうなずいて、
楽しみにしてるわ。
というと、すっと姿をけした。

なんか、リリスって、
神出鬼没になったね。


d9

夜も更けて、三人が
ファミリーカーで帰ったあと、
ジャンが連作画像の
最後の修正作業をおえるのを、
机の横でリリスの人形が
じっと見守っていたのだった。


解説)
なんとか二つの連作画像ができました。
重複するので映写会のシーンでの
再掲はしません(^^;)。
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