もしも 膝づめで語ったら 水割り 片手に 朝まで語ってしまいそう 大学時代 小さな島の三虎ユース 波の音を聞きながら 船倉の 裸電球の下 いつまでも語った なつかしい日々のように 青いもぎたての 王林のような 甘酸っぱい香りはしないけれど ひと味違う 熟成されたまろやかさの中で 青春が 二度目に 顔をのぞけたみたいに バーボン片手に 朝まで語り明かしたいね 男と女としてではなく (2004, 1, 10 輪 第11号所収作品)