プライベートなミッドナイト
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プライベートなミッドナイト



意識の海の中に
四角い 薄い アルミ色の箱が
プカプカと漂いはじめたのは
いつの頃からか

おもむろに
それを引き寄せた私は
手元に置いてからは
一日 何度も
その箱をあけるようになった

光ファイバーに乗って
私ではない 別な思考が
大気を縫って
すばやく届けられる時
小躍りして
その 小さな画面を
のぞきこむ私がいる

そんな習慣の渦の中に
吸い込まれ
電子の文字をたちあげる私は
今日も
歓喜にうち震えている

ミルクを飲みほす午前二時半
ネットを散策する
私の真夜中は
まだ 眠らない

(2003. 1. 10 輪 第10号 所収作品)


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