あわびよりも美味しいと言われているのが、この夜光貝です。熱帯の界。リュウテンサザエ科。大型巻貝。ヤクゲーとわれわれは呼び、屋久島のヤクはここからきたのではないかという話になりました。屋久島以南はすべてヤクシマと呼ばれていた時期があったそうです。友人とその友人の学者の話、正倉院の残っている中国から贈られたという螺鈿細工の琵琶の螺鈿は沖縄の夜光貝ではないか、沖縄の遺跡で考えられないほどの大量の中国のお金が出土するところがあって、それは中国へ売った夜光貝の代金ではなかったか。弥生時代の豪族たちはこれらの南の貝のブレスレッドを力の象徴として身につけ、九州からも貝の仲買人が現れたようです。沖縄の人たちも、そういう貝を採り、かつ、半製品にして用意していた。支配層のシンボルとなった貝輪は、遠く北海道まで運ばれました。これをシェル・ロードと呼びます。弥生人は一年の決まった時期にやってきたので、南島われわれ人は、採集した貝を生きたまま浜中に埋めて美しい貝殻を保存した。北から運ばれたものは何だったんだろう。素敵なストーリーですよね。
夜光貝は、こりこりと硬いところと、とろっと柔らかい二つの味が楽しめます。もちろん、残ったら、バターでソテーしましょう。さあ、正倉院の琵琶の音を想像して、南の島の夜光貝へ、Let's try!
2003.9.3
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