これは野菜です。食感は柔らかい筍といったら分かりやすいかな。沖縄本島では北部のヤンバルというところで作っていますが、主に台湾から輸入されています。
実はマコモは米よりも古い穀物なのです。古代ではマコモもふくめて六穀だったらしい。アメリカのインディアンが食べていたワイルド・ライスというものです。古代米の黒米よりも細長い。これに黒穂菌というのがついて病気になると茎が太り、われわれの好きなマコモになるわけです。しかし、これがつくとマコモノミはならないのです。そのうち米が登場してマコモは救荒食へと身をおとした、ということです。
友人の解説によると、ヤマトのお盆で使われるきゅうりとかなすの馬は、「送り馬」「かつぎ馬」といって、もともとマコモでつくったようです。「かつぎ」はマコモの古語か方言ということです。いろいろと興味深い植物です。マコモの不思議は、古代日本人は実のならなかったマコモは茎がうまいのを知っていたはずなのに、今の日本人はほとんどこの野菜を知らない。われわれはこれが大好きなのに、実はこれが穀物であるとを知らないというミステリーです。
マコモのお料理は簡単、炒めるだけで美味しい。ただ、ひとつ、切るときは、縦に細長く、繊維を保つ、これが美味しさの食感へつながります。
さて、きょうは古代日本へ思いをはせて、マコモへLet's try !
2003.8.20
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