Jan 15, 2008
白鳥は悲しからずや
「白鳥は悲しからずや 海の青 空のあをにも染まずただよふ」という牧水の歌を教えてくれたのは学生時代の近代文学の先生だった。川崎洋さんの「はくちょう」という詩に出会ったのはそのあとだったと思う。
はくちょう 川崎 洋
はねが ぬれるよ はくちょう
みつめれば
くだかれそうになりながら
かすかに はねのおとが
ゆめにぬれるよ はくちょう
たれのゆめに みられている?
というふうに始まる詩、「すでに かたちがあたえられ それは
はじらいの ために しろい はくちょう
もうすこしで しきさい に なってしまいそうで」
ひらがなのインパクトが効果的な詩。わたしが川崎洋、という詩人を知ったきっかけとなった詩だった。
「どこかへ行こうか」という話になって遠くへは行けないので、近いところへ。茨城の白鳥が飛来する湖を見に行った。白鳥だけではなく、多くの水鳥が湖岸に集まっていて、ばさばさと賑やかに観光客から餌を貰っていた。
その場所だけ餌をあげてよいらしく、集合理由がわかったので、少し岸辺を歩いてみたら離れたところにもぽつぽつと静かにしている白鳥がいた。しかもよく見ると白い白鳥だけではなく、グレイがかった種類もある。やわらかな「しきさい」。でも、あとで自分が撮った携帯写真を見てみると白い白鳥しか写っていない。無意識に純白を選別していたのだろうか??と不思議だ。
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