Sep 14, 2007
なみだ
病室に入ると娘が泣いていた。黙ってそばにいる、
ひとりにしてあげるために離れる。
選択肢はこのふたつしかないと、
わたしはもう知っている。
もう、コドモではないのだから泣いてはいけないなんてことは、
絶対にないのだ。
もうコドモではないから泣きたいことは山ほどある。
泣いて当たり前の状況で、涙ひとつ見せずにがんばったら、
かえって心配になる。
ゆるやかになるべくおだやかに、
娘が立ち直りますように、、、。
彼女は手術を終えて、介助があれば車椅子に乗れるようになった。
でも、ダメージは両足にある。
ひとりでトイレにも行けない日々はどんなだろう。
愚痴ひとつこぼさずに耐える必要もないのに、
病気とともに生きてきた娘はまた、淡々と受け入れようとしていた。
わたしは彼女のために柔らかな素材のタオルを
娘の好きなピンク色を基調に、
何枚も用意しようと思う。
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