Jun 03, 2007

宗教・神話・詩論

杉山神社研究・ノート篇


昭和54(1979)年秋現在


〇港北・緑地区杉山神社一覧

港北区
新羽町2579 日本武尊(新羽総鎮守の称あり)
同  3908(付近) 三輪明神(北新羽総鎮守)
勝田町1241付近 祭神不明 (「お社」の称)
新吉田町4502 祭神不明(郷社) 近くに「御霊」の地名
茅ヶ崎町2099
中川町915付近
師岡町・樽町境界付近
岸根町397

緑区
大熊町 保育園トナリ
池辺町2643付近
佐江戸町 無量寺付近
鴨居町 鴨居小学校トナリ
三保町 県農業合同庁舎トナリ
西八朔町 極楽寺トナリ
千草台20付近
寺山町178付近
みたけ台26
恩田町1199
市ヶ尾町647付近
青砥町 蓮生寺付近
中山町 長泉寺トナリ

(補)川崎市
末長808に杉山神社1社 また武蔵小杉付近に井田杉山町の地名あり
横浜市西区中央1丁目に1社 石崎川―帷子川分流

保土ヶ谷区上星川町480付近 同仏向町268 同西久保町116
  上記保土ヶ谷の3例はいずれも帷子川流域

〇港北・緑地区神祇一覧

*権現社
緑区荏田881
*稲荷神社
港北区岸根町573
同  菊名町(新栄稲荷)
同 北山田町3064
緑区川向町、池辺町、荏田町、あざみ野(4か所)、大場町、長津田町5100、三保町(?)、中山町
*熊野神社
港北区師岡町(熊野宮)
同   日吉5丁目
同  下田町835
緑区寺家町925
*八幡神社
港北区大曽根町
同   小机町1409
緑区川和町2354
同 台村町554
*神明社
緑区新治町、同恩田町、同十日市場町
港北区下田町、同牛久保町
*白山神社
緑区白山町
港北区小机町
*住吉神社
緑区奈良町
港北区小机町
*天満宮
港北区高田
緑区東方町

港北区日吉4丁目 日吉神社
同綱島東2丁目 諏訪宮
同日吉本町 駒林神社
同太尾町 太尾神社
同菊名町 菊名神社
同大豆戸町 八杉神社
同新羽町 浅間神社
同南山田町 山田神社

緑区折本町 淡島神社
同東本郷町 本郷神社
同荏田 剣神社
同美しが丘 平川神社
同大場町 諏訪神社
同市ヶ尾町 雲神社
同鉄町 鉄神社
同鴨志田町 甲神社
同長津田町 大石神社、天土神社、高尾山神社、王子神社、空造様

(不詳神祇)
`港北区
東山田町、篠原町
`緑区
元石川町3社、恩田町1社、三保町1社(稲荷社?)、中山町1社、鴨居町2社、池辺町1社
{以上昭文社発行「横浜市港北・緑区全図」(9500:1)に拠る}

(補)
神奈川区菅田町杉山神社
同片倉町杉山神社
鶴見区岸谷3丁目杉山神社

北 川崎市末長
南 保土ヶ谷区西久保町
東 鶴見区岸谷
西 緑区恩田町


武蔵国国幣小社(延喜式神名帳)
数多の「杉山神社」のいずれに比定されているのかは不明

祭神二系統 五十猛尊(イタケルノミコト)→杉古木
      日本武尊→東国征伐の道筋

現鶴見神社 杉山神社神祷歌釈(スギヤマジンジャカムオーギウタノシャク)の存在
{以上「神道大辞典」による}


横浜市西区杉山町(の)杉山神社→杉山一族
同区中央1丁目?
川崎市井田杉山町 保土ヶ谷区和田1丁目

讃岐 瀧の宮神社 念仏踊―雨乞い

昭和54年9月22日 予定
西八朔杉山神社、中山駅周辺4社、中山町無名1社、佐江戸町杉山神社、鴨居杉山神社 ……地図記載の集中地域

`水田耕作との関係 `河川(水)との関係

境内の「古木」を確認すること。神名の確認。近接する神社(とくに同名社)との関係の有無の感触→同名社ならばとくに近接していなくてもよい。立地条件。地域との関係。「杉山神社」の名称に付帯する「称号」の確認。

9月22日

〇西八朔町杉山神社
横浜市緑区西八朔町208番地
社格 元郷社
祭神 五十猛命 配祀:大日霊貴(オオヒルメノムチ?)命、大田命、一神不明
古木 タワラグミ、モミジ。周囲に杉林、孟宗竹。
神殿 [ペン画あり]屋根は藁葺き。杉板に「杉山神社」の扁額。すべて木造。
立地 丘陵の斜面―麓近く。石段あり。元は境内の他の場所にあったらしい。江戸期に現在の地に移転(297年前とある)。由緒書による。

〇三保町杉山神社
緑区三保町2087番地
社格 村社
神殿内に杉板(根幹部を真横に切って板としたもの)の奉納板あり。西八朔の神殿に掲げられた社名を記した板と同じ。
藁葺き屋根
古木 杉、イチョウ、ケヤキ、モミジ
社殿裏手に神木の記念碑(樹は現存せず)。昭和9年のもの。
祭神 不明
神木記念碑の隣に小祠あり。その傍らの石碑に、仁徳天皇と菅原道真の名と詩文が併記されている。(よく読めないが、例の:後註)民のカマドの歌と、「菅公」として歌一首(判読できず)。碑の中央に「去来(年)今夜待清涼秋思詩篇獨断腸恩賜御衣今在此捧持毎日拝余香」の文字あり。江戸期のものらしいが、かなり古いものであることをのぞいては何もわからない。
立地 街道交差点。割合に平らな地勢。

〇佐江戸杉山神社
社殿 中山町のそれと酷似。街道沿いの丘陵の上→山上の印象(新吉田のそれと似る)。社殿左手に石碑2基。同じ岩質。同時にたてられたものか。

中央に「参明(?)藤開山」(字は象形文字的にデフォルメされたもの)。右側にやや小さく「天下泰平」。左側、同様に「五穀成就」とあり、天に「山印」の図柄あり。

中央に「御嶽三柱大神」。左下に小さく「長谷川為永敬書」とある。裏側に以下の文字。「維明治九年十有二月村中信者等首於 鎮守杉山神社之側択高敝地樹 御嶽山遙拝石以祷 霊呪先是村中火屡發延及数戸人々憂懼於茲 御嶽講中先達行者懇祷免火難妖病等適欲往詣 御嶽只憾農事不遑乃冀設 遙拝石詢村里慫慂之衆競投資功立成焉是縣(?)  神徳賢 清化之所致者乎因謹記其来由云(改行)應講元需 杉原実圓誌」


〇池辺町杉山神社
社殿扁額に「杉山大明神」。屋根銅葺き。
社格 村社
古木 ケヤキ、ムクノキ、アカガシの大木あり。殊にケヤキは神木と云うに足る。
祭神不詳
社殿左手の勾配に稲荷の祠。その上手に「厳島大神宮」の小祠あり。
(舟形の山車らしきもの。長さ数メートルの規模)
境内の広さではいままで見てきたもののうち最大。青砥町杉山神社の印象ときわめて似通う環境(ミリュー)。

〇鴨居町杉山神社
扁額に「杉山社」とあり。社殿トタン葺き。社殿内に絵馬二枚。かなり急峻な岡の中腹。ケヤキ、サクラ(古木らしきものは現存せず)。
(社殿は)鶴見川とは反対の向きに建てられている(谷間に向かって)。石段をのぼる手前右側、廃棄された小祠の跡がある。鳥居右手に金木犀の古木。


「杉山神社考」(戸倉英太郎著、緑区郷土史研究会編)の存在

緑区寺山町118番地 緑区役所福祉部市民課社会教育係内
  tel(045)933-1212内線216・217

中山町杉山神社(社務所?)にてパンフレット入手
パンフレットに書かれていたこと→川崎・横浜地区杉山神社(昭和31年当時)48社。関東大震災の影響→旧社殿・結構の倒壊。ひとつの転機となる?


〇寺山町杉山神社
緑区寺山町550番台
「寺山鎮守」の号あり。瓦葺き。社殿内奉納板(杉)。社殿本体をのぞいては比較的新しい感じ。坂の途中、集落の中。
祭神不明
古木 特に見当たらず。ケヤキ、スギ、イチョウetc.
社殿向かって右側に小碑ふたつ、針金によってくくられて立っている。ひとつは「天照皇大神宮/元金比羅神社祠之跡/天満宮」の文字。もうひとつは「元稲荷神社祠之跡」、側面に「大正七年三月建之新治村氏子中」とある。前者の側面にも「大正七年二月四日為村社杉山神社合祀」とある。


〇中山町無名社は、稲荷及び駒形神社の小祠。


〇中山町杉山神社
社殿瓦葺き。他の一般的な神社と異ならず。
河岸段丘上。裏手に林あり(ただし古木は見当たらず)。神名不詳。街道沿い。

住居を兼ねた社務所(?)あり。そこの人に「杉山神社考」のパンフレットをもらう。この行1981年6月5日記。

〇青砥町杉山神社
社殿銅葺き。近いころ補修改築されたものか。結構は、それでも旧い「杉山神社風」をとどめているようだ。
古木 ケヤキ、カシ。
鳥居前に小川、丸橋。周囲は住宅街。
祭神 不詳

入口右手に石碑4基。左から順々に背がひくくなってゆく。
「二十三夜塔」(明治四未年十一月建)、「堅牢地神」(文政八酉年正月吉日)、「二十三夜塔」(天保四巳年正月建之)、「馬頭観世」(天保……以下判読不能)。

立地 街道沿い、比較的低地。


〇「五十猛」イタケル
〇延喜式神名帳「都筑郡一座小/杉山(スギヤマ)神社」
〇伊太祁曾(イタキソ)神社 和歌山県伊太祁曾にある元官幣中社。祭神は大屋毘古命(五十猛命イタケルノミコトとも称す)→広辞苑
〇木曽路-御嶽山……佐江戸町杉山神社(の碑)

緑区川向町 大塚巌徳氏
郷土史研究会


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