May 25, 2025

意外な展開

a1

弾丸はローゴスの腹部に命中した。
ローゴスは叫び声を上げたが、
弾丸は貫通するに至らなかったようだ。


a2

なんだなんだ、お前らは。
俺の手下共をみんな消しちまったのか。

おや、お前はモンスターハンターだな。
それに。なんとお前たちにも見覚えがあるぞ。
昔俺の胸に風穴を開けたやつらだな。


a3

そうかそうか。
それで今度も俺の急所を狙ったというわけか。
残念だったな。
あれから考えて鎖帷子で防御してきたんだ。
俺に弱点はもうないのだ。
そういうとローゴスは両腕を上げて、
鎖帷子を誇示して見せた。


a4

相変わらず浅はかで単純そうね。
とローゴスを見上げてアイスが言った。

なんだとお前。

私はアイス。あなたローゴスっていうのね。
この忘れられた夢の世界を征服しにきたらしいけど、
こんな広大な砂漠を占領してどうするつもり?
もうあなたの他に誰もいないわよ。

砂漠だと。
砂漠の向こうには森があるって聞いたぞ。
恐竜も住んでいるという話だ。

そんなのただの噂話よ。
ここにあるのは砂漠だけ。
あなたの手下で森や恐竜を見た人がいるの?

う。そんなはずはないだろう。


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砂漠の支配者になりたいなら、
邪魔はしない。
よく考えてみて。
もし私たちを倒してこの世界を征服しても、
広大な砂漠の中で、一人きりで、
砂遊びくらいしかすることがないのよ。
とアイスは言った。

ローゴスは考え込んでいるようだった。


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ローゴスはアイスの言葉にショックを受けたのか、
慣れないことを考えたせいか、
戦意を喪失したようで、
不満そうに砂塵の中に去って行った。


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アイスたちは家に引き返してきた。

あれでローゴスはこの夢から出ていくかしら。

だといいけどね。
ああいう夢食いは、夢を見ている人が目覚めたり、
征服した夢に飽きたら出ていくことはあるけど、
こんなケースは初めて。
とセリーヌが言った。

それにしても、よくあんな嘘
とっさに思いついたわね。
騙されたのを知ったらあとで悔しがるわよ。

ローゴスは弱点をカバーしてたし、
ファイアスラッガーⅡは弾切れ。
あの場で格闘に持ち込まれたら、
こっちに勝ち目はなかったからね。

ローゴスが事実を確かめに
砂漠を歩き回って
サバンナや森を見つけたら?

その時はその時。それでも、
恐竜がいなければ諦めて帰るかも。
いずれにしても、あの様子だと、
しばらくは大人しくしてるはずよ。

あ、ラルゴ、さっきは武器を投げてくれてありがとう。
華奢な腕をしてるけど怪力なのね。
怪我してるみたいだけど様子はどうなの?
とアイスが言った。


a8

足に噛みつかれて合成皮膚が破れましたが、
損傷した関節部分をここで修復していました。
私は戦闘用のロボットですから、
勇敢なCGみたいに、腕一本になっても
戦うように作られているんですよ。

アイスやナディアは黙り込んでいる。


a9

アイスたちはみすずの家に
現状の報告に戻ることにした。

セリーヌは行かないの?
私は瓦礫の片付けがあるから。
先のこともちょっと気になるし。

そうか。私も報告が済んだら、
すぐに戻ってくるわ。
とナディアが言っている。



解説)続きます。
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