May 02, 2025
シノの散歩

おはよう。
今日もいい天気ね。
恐竜も元気そう。

シェルニさん、おはよ。
乗せてくれるって
言ったの覚えてる?
おはようございます。
もちろん覚えてますよ。

シェルニのボディのフロントカバーが開き、
シノは内部座席に乗り込んで、
外に出てきた。
こういうのやってみたかったの。
このまま私の小屋まで
トロフィを運んでもいいかな。
もちろん。
私もご一緒させてください。
とラルゴが言った。

手足も指示通り動かせるのね。
はい。でも覚えていてください。
私は中の人を保護するために作られた
シェルター用のロボットなので、
時にはシノさんの指示も無視しますから。
とシェルニが言っている。

その時低い地響きが聞こえ、
なんと茂みの向こうから
ティラノサウルスがやってきた。
発見されてしまったようだ。
シノは身を乗り出して銃を構えている。

恐竜はぐんぐん近づいてくる。
シノは威嚇のために小銃を発砲したが、
恐竜は動じないようだ。

恐竜は大きく口を開いて
シェルニを咥え込んだ。
シェルニは自動的にシノの上半身を
内部に引き込んで、
頭部をカプセルで遮蔽している。

シェルニが噛み砕けず、
飲み込めもしなかったので、
恐竜は首を振って
シェルニを草むらに放り出した。

恐竜はしばらくシェルニを
つつき回していたが、
やがて興味を失って去っていった。

なんとかシェルニのおかげで
無事だったわ。
シノさん。その銃じゃ無謀ですよ。
とラルゴが言った。
あ、ラルゴさん。
ずっと草陰で見てたのね。
どうしてランチャーで応戦してくれなかったの。
もし仕留められなかったら、
危ないじゃないですか。
それはそうだけど。

二人はめげずに
シノの小屋に向かっていった。
あの恐竜はなんていう名前なんですか。
あれが有名なティラノサウルスよ。
子供の見る夢にもたまに出てくることがあるの。
そういう夢は見たことないなあ。
ラルゴさんはロボットなんでしょう。
私はなぜか眠ったり、
夢を見ることもあるんですよ。
変わったロボットなのね。
解説)
続きます。
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