Jan 20, 2025
ボスの胸像
カコとミラの話は弾んでいた。
この星に管理局の本部があるって、
レプテュリアンたちは知ってるの?
当然知ってるでしょうけど、特に付き合いはないのよ。
この星の生物種と異星人の交流には基本的に管理局は関与しない。
他にやることがたくさんあって、
そういう細かい話はパス。
私たちがここに引っ越してきたのは、
2023年の初頭のことだけど、
至って平和なものだね。
とバグが言った。
私たちは特に人間たちとも親密に交流もしないし、
ここで時の推移を見守っているだけ。
それでも今ちょっと注目しているのはこの星の魔族の魔法。
魔術師が増えたり、近年だんだん派手になってきているの。
面白そうだねー。
あ、お話中悪いけど
私お客さんが部屋に来て待ってるらしいので、
一旦部屋に帰ります。
とサラが言った。あとでまた戻って来ますよ。
サラが部屋に戻ると、
コート姿の男性がいた。
あ、この人は政府高官のSPだった人では?
やあサラさん。
うちのボスが今度退任するので、
記念に胸像を作ることになりまして、
工作のお得意なサラさんに依頼に来たんですが。
お留守だったので待っていたところなんですが、
そこの奥の女性があっという間に作ってくれたんですよ。
ああ、サラ。
この人急いでいたみたいなので、
魔法を使って作ってあげたの。
とフミコが言った。
テーブルの上には、
町の広場を何度か訪れたことのある、
元政府高官の胸像があった。
流石にそっくりにできたのね。
とサラが言っている。
ありがとうございました。
今日は新大統領の就任式があるので、
対抗してご自宅の庭で
この胸像の除幕式をされるそうです。
急がないと。
そういうと元SPの男性は
胸像を抱えて立ち去っていった。
解説)
続きます。
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