Dec 17, 2024
モモコの願い
モモコはフミコたちと話している。
あれからどうしてたの?
アイスとアフリカに行って、
フミコさんに魔法をかけてもらった
この羽根の力で空を飛んだんです。
そしたら、本物の妖精と勘違いした
グリーンマンが現れて、
妖精にそっくりだと言ってお花をくれました。
それは良かったわね。
その花は妖精たちが好きだった花ね。
それで今日お願いに来たのは、
私ジェーンの住む世界にまた遊びに行きたいんです。
ハリーさんに頼めば、魔術劇場の中から
鏡の扉を開いてくれるんですけど、
すごく危険を伴うことがわかって。
フミコさんなら、どこからでも
望んだ場所に連れて行ってくれるって。
どんな方法で行こうと
別世界を訪問するには危険は伴うのよ。
それにあの世界は特別。
それでも自己責任で行きたいっていうなら、
あなたに力を授けましょう。
フミコは立ち上がると、
モモコに向かって呪文を唱えた。
薄い煙が立ち上ったが、
一見何も変わったことは起きなかった。
今、あなたに魔力を授けたの。
とフミコは言った。
魔力、とは言っても、ささやかな力よ。
グリーンマンがあなたにあげたお花が、
扉を開く鍵になるわ。
そのお花に向かって、行きたい世界を
思い描いて念じると扉が現れるから。
帰ってくる時も同じようにしてね。
大昔には妖精たちも、
あのお花に願い事をして遊んでいたのよ。
あなたに授けたのはそんな妖精たちの能力。
あなたは魔族並みの呪力を持っているから、
上手く使いこなせると思う。
あ、ありがと。
モモコは早速
ジェニーたちの部屋に戻った。
ああおかえり。
どうだった?
この前グリーンマンからもらった
花を生けた花瓶あるかな。
もちろん。
ずっと元気に咲いてるよ。
モモコはたまきたちに事情を話し、
花瓶から花を一輪手にとって、
ジェーンのことを思い浮かべてみた。
すると鏡の扉が突然室内に出現した。
ちょっと扉が出現する場所を決められないの?
それは無理みたい。
モモコは小さな皮のポシェットを
身につけて、帰還する時のために花を一輪
持っていくことにした。
モモコが帰った後の
サラたちの部屋では。
なんだかややこしい手続きが必要なのね。
すぐに扉を出現させられなかったの?
彼女が自分の力で行けるようになるのが、
一番でしょう。あの子素質あるから。
深いのね。
あの格好で寒くないのかな。
それは大丈夫。
妖精の感覚だから。
解説)
続きます。
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