Jul 22, 2024

マークを案内する

a1

アイスとマークが
魔法劇場を出ると、
広場は割と閑散としていた。
毎日暑いのでみんな家に篭りがちのようだ。


a2

マークじゃない?
と佳奈が言っている。
やあ佳奈。

鏡の扉を使って
アフリカから直行で来たのよ。
とアイスが言っている。


a3

こっちはマーク。
あっちはルビー。
一緒にベーカリーを経営してる
CGの仲間で私の相棒よ。
とアイスがルビーを紹介している。

佳奈から色々聞いてるわ。
どうぞよろしく。


a4

マークはフィギアの精霊なの。
誰かジャンのジオラマの村の人、
広場に来てないかなあ。

さっきジョー軍曹とエルザを
見かけたけど。


a5

ジョー軍曹とエルザは
マンゴー亭で肉まんを食べていた。


a6

また涼しそうなのに着替えたのね。
夏はこういうのが一番。
とアンナが言っている。


a7

やあ、ジョー、エルザ。
君たちに紹介したい人がいるんだ。
こちらはマーク。
君たちと同じように
かっては戦時中の世界で暮らしていた
フィギアの精霊だよ。


a8

それは珍しいですね。
魔族のヴィヴイアンやハリーが
フィギアや動物の精霊を、
魔法で人間の姿にしてしまうのは、
何度も見ていますが、あなたも?


a9

いや、そんなことのできる
魔族の存在を知ったのは
この世界に来てからのことです。
僕はてっきり自分が人間だと思い込んでいたので、
いまだに自分がどんなフィギアだったのかさえ
知らないんです。


a91

私たちもみんなそうでしたよ。
僕らがいたのはヨーロッパ戦線で、
小さな村をドイツ軍から守る部隊の軍曹だったんですが、
こちらの世界と接触があってから、
真相がわかってきたんです。
今はこんな格好していますが、
ずっと軍服姿で、なぜか、こんな
ドッグタグを身につけていたんです。

ジュー軍曹が取り出してみせたドッグタグには、
GIジョーと刻まれていた。


a92

私はエルザ。
戦地ではジョーの部下だったの。
戦場だった村は怪物に襲われたのがきっかけで、
アメリカ軍とドイツ軍が協力するようになり、
今では平和に共存して、
不意の怪物の襲来に備えながら暮らしている。
ルーマニアにある別の世界に行った人たちや、
私たちみたいにこの町に移住した人も多くて、
村人の数は減少気味だけど、
私たちの故郷であることに変わりないの。
私がご案内するわ。


a93

マンゴー亭の従業員の
アンナとレイはそばで話を聞いていた。

フィギアの精霊の人たちって、
私たち人間とどこが違うのか、
よくわからないけど、
故郷があるっていいわね。



解説)
続きます。
Posted at 20:30 in n/a | WriteBacks (0) | Edit
WriteBacks
TrackBack ping me at
http://haizara.net/~shimirin/blog/kirita/blosxom.cgi/20240722203032.trackback
Post a comment

writeback message: Ready to post a comment.