Aug 31, 2023
帰ってきた二人 そのご
探偵事務所では、
仮想現実体験の結末と現状についての
長い説明と会話が一段落して、
レイチェルが急にアイスが食べたいと言い出して、
シェリー博士とマヤと一緒に、
階下の喫茶店ペンギンに出かけて行った。
レイチェルは人間に戻って、
味覚を取り戻したから、
やたらに何か食べたいんだよ。
暑いしねー。
ロボット学者3人で揃って出かけたってわけね。
レイチェルにも、マヤっていう人にも、
ミューとドロレスがロボットだっていうことも含めて、
秘密にしてた現状を全部話しちゃったから、
二人とも、かなりショックだったでしょうね。
シェリー博士が一緒だから大丈夫よ。
マヤっていう人も信頼できそうだし。
なんと言っても未来のナディアのお母さんだもの。
3人はペンギン前の外のテーブル席で、
特注のアイスを食べていた。
うーん。忘れかけていたこの味よ。
夏はバニラアイスに限るわ。
マヤは探偵事務所で聞いた話を
色々と思い出していた。
未来世界で自分の娘が成長して、
最終戦争後も生き延びているという話は、
あまりにも突拍子もなくて、
現実感が湧かなかったが、
ミューやドロレスがロボットだという話は驚きだった。
話によると、ドロレスは、
研究所の爆破事故で破壊されたと言われていた
シェリー博士の作ったロボットで、
ミューは、とあるきっかけで知能が突然進化した
ロボットのアンが、シェリー博士と協力して
自分がロボット研究所に返還される直前に、
分身のように作り上げたロボットで、
アン自身の記憶もそこに移し替えられているのだという。
そのミューが仮想現実体験装置と呼ばれる
タイムマシンみたいなものを作ったというのだから、
その知能は現在の人類の科学レベルを遥かに超えている。
しかもドロレスもミューも人間そっくりで、
話を聞かされるまでロボット学者でもある私も
全く気が付かなかった。
人型ロボットの成形ではシェリー博士もすごいけれど、
ミューの人工知能の能力はさらに計り知れない。
マヤさんは、チョコパフを作るのが
上手なんですってね。
ああ、さっきの話ではそう言ってましたが、
この前、ベーカリーで食べて
美味しかったので、フレイムからレシピを教わって
作ってみようと思ってたところなんです。
あれはかなり未来のことだからね。
バニラアイス、もう一個もらおうかな。
とレイチェルが言った。
いつもベンチに来てる管理局の人たちは?
ミラが、今日はもう月末だから、
参加賞もらうために、
今日中にコスプレの登録に行かなくちゃって。
バグと二人で広場に出かけてるよ。
あ、バニラですね。すぐお持ちします。
その頃、ベーカリー前の広場に、
バグとミラが来ていた。
元気にしてる?
とバグが空で羽ばたいているヒソコに話しかけている。
そこにバービーがやってきた。
あら、あなた。
あなた、ケンそっくり。ケンでしょ。
いえ、僕はバグって言いいますが。
解説)
まだ暑いですが、あっという間に
8月も終わりですね。
WriteBacks
http://haizara.net/~shimirin/blog/kirita/blosxom.cgi/20230831202047.trackback
writeback message: Ready to post a comment.