Jul 08, 2023

月の輝く夜に

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夜が更けて、
レイチェルはソファに
身を預けていた。
さっぱり眠くならない。


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ツナはすやすや
寝息を立てている。


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空腹感も全く覚えない。
アドロイドになるのも
悪くはないかも。

レイチェルは、子供の頃、
ロボットのスーパーヒーローに憧れて、
ロボット学者になったのを思い出した。
あの夢をシステムが読み取って
実現したのかな。


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レイチェルさん。
今夜はフルムーンですよ。
と部屋に入ってきたバンクが言った。


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二人は外に出た。
あなたたちも眠らないんでしょう。
夜は何してるの。
それぞれのメンテナンスや
回収したパーツの分別作業などです。


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今夜は綺麗な満月で、
夜でも遠目がきくわね。
あれ、あそこに。

ああ。
ミトラは、見張を兼ねて、
屋外でああしているのが好きなんですよ。


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ミトラさん。
こんばんわ。
ブーンという低い音が聞こえている。


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頭部のハッチが開くと、
ミトラの顔が現れた。
お邪魔だったかな。


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あ、レイチェルさん、こんばんわ。
ちょっと瞑想中でしたが、
時間はいくらでもありますから。
とミトラは言った。


解説)
次回に続きます。
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