Haizara-Cho::Suigara-yama 99[Shinsuke Kirita]

ドロレスたちの体験　そのさん

ドロレスたちは、
ツナの部屋を見せてもらっている。

マトリックスの映画ポスターが貼ってある。
ツナは仮想現実なんて気にしないって
言ってたけど。




鉢植えや作業用手袋、
銃器類や無線機のようなものも。




これ随分古い映画ポスターね。
壊れたシェルターの壁から、
剥がしてきたんです。
とバンクが言った。




これ今の地球なの？




砂漠化が進んでいるの。
ほとんどが時空の歪み状態だから、
行ける範囲は少ないんだけどね。




それより
お腹空いたでしょう。
何か作るから食事にしましょう。




壊れたシェルターから集めてきた
缶詰が結構あるのよ。




ツナって好き？




ツナはツナだから
ツナ缶が大好きなんだ。
とバンクが言った。




さっと炒め合わせただけだけど。

ああ、いい香り。
それにこの空腹感。
人間でいるってこんな感じなのね。
とドロレスは思った。



解説）
ロボットだった時のドロレスは
人間同様簡単な食事ができる構造に
改造されていましたが、
それは形だけのことだったのでした。

続きは次回に。