Jun 30, 2023
レイチェルの体験 そのさん
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でもこの「お弁当箱」って、
どうなってるのか全くわからない。
分解して内部構造を調べたいわ。
バーボンハウスに帰れば、
いくつも同じパッケージがあるから、
いつでもどうぞ。
でもみんな拾い集めてきたもので、
私には作れないの。
レイチェルさんが構造を調べて
作ってくれたら最高だね。
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二人が胴体の前方の蓋を閉じると、
頭部のハッチのような部分が開き始めた。
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ハッチが開くと、その内側の基盤に
接着されていた顔面があらわになった。
ツナ、おかげでまた生き延びたわ。
それと、レイチェルさん。
どうもありがとう。
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私はミトラ。
かっては人間だったけど、
瀕死の状態で、
戦闘用ロボットに改造されたの。
最終戦争の起こる前の、
もう随分昔のことですけど。
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じゃあこれで修理も終わったし、
バーボンハウスに帰りましょう。
とツナは言った。
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このサイドカー、
ものがいっぱいで乗れないよ。
それに機関砲みたいな形のロボットもいる。
それは、コーダっていうの。
コーダは、銃器の砲塔をさげて
軽く会釈をすると、
オートバイの後ろ座席が空いてるよ。
と言った。
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とばすから、
しっかり捕まってね。
私は、もう少し
屑拾いしてから帰ります。
とミトラは言った。
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ミトラは直立して二人を見送っている。
あの腰の鉄球なんに使うの?
もちろん振り回して、
パーツの硬い装甲を叩き壊すためよ。
もっぱらお弁当箱の回収用ね。
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二人を乗せたオートバイは、
瓦礫の広野を疾走して、
バーボンハウスに向かって行ったのだった。
解説)
レイチェルたちの
仮想世界の冒険は
日をまたいで続くようです。
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