May 23, 2023

あれこれの続き

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喫茶ペンギンでは、
ローズたちが、
長くてややこしそうな話を続けていた。

その伝説の魔王メイヴって、
聞いたことがなかったわ。


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あなたは入ってから日が浅いからね。
私たちの組織ジゾックスの中核となるメンバーは、
元々中世の騎士団ジゾックスの末裔だったの。
彼らは魔王を信仰していたけれど、
そのことは一部の幹部だけの秘密にされていた。
魔法なんて信じない連中も多かったからね。
それで結局CGとの戦いに敗れて
組織は壊滅して、生き残ったものは、
みんな散り散りになってしまった。

なるほどねー。
私がこの派手な紋章入りのシャツを着てるのも、
元のメンバー探しっていう理由があるわけだけど、
追い詰められて、
いよいよ神頼みっていうことなんだ。


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他人事じゃないのよ。
それに紋章入りのシャツを着てもらっているのには、
別の深い理由もあるの。
伝説の魔王メイヴは、ツノあるものの心に宿って、
深い眠りについている。
宿られているものもそのことに気がついていない。
けれど、そのシンボルである自分の紋章を見たら、
魔王は一挙に覚醒すると言われている。
しかもその紋章を身に帯びたものに逆らうことはない、
という言い伝えがあるの。

その言い伝えでは、夢見の水が流れる土地に
ツノあるものが住むとも言われている。
これまで盲点だったんだけど、
デイリープラネットで、この町の紹介記事を読んで、
興味を持って色々調べてみた結果、
この町に隣接する森の湧き水のことが、
地元では夢見の水って呼ばれていることがわかった。

じゃあツノあるものは、ここに住んでるってことね。

この町でツノあるものを探し出して、
魔王メイヴを復活させることができれば、その力で、
CGなんて、あっという間に滅ぼすことができる。
世界制覇は目前よ。

だといいけど。


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二人が店で話していた時、ペンギンの前に、
大きな荷物を背負ったドロレスが
歩いてきた。

もうすっかり暑くなりましたね。
お荷物大変そう。
ありがとうございます。
事務所もうそこですから。


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彼女ロボットなんでしょう。
重そうにしてたけど、
ほんとは軽々って感じだったよね。
などと言い合っている。


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あ、お帰りなさい。
とみんなが言っている。


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さっそく荷物は室内に運び込まれ、


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バッグから取り出されて、
設置された。

これは何の装置ですか。
一見、踏切の信号機みたいに見えますが。


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これはバーチャルな世界を生成するための装置なの。
仮想現実発生装置というべきか。
まだ未完成なんだけどね。
ああ、それでね。
さっきは、あなたのためを思って
ちょっと言いにくい忠告をさせてもらったけれど、
もしよかったら、
この装置を完成させるのを手伝ってもらえないかしら。
この装置にもKSシステム回路が組み込んであるの。

え、そうなんですか。

いわゆる異世界を作るんだけど、
魔法なんかを使うんじゃなくて、
あくまでも技術的にやるわけだから、
生み出される世界を制御するための
優れた認識システムが必要なのよ。

わ、わかりました。
是非お手伝いさせてください。
と嬉しそうにレイチェルは言った。



解説)
それぞれに、あちこちで
よくわからない話が進んでいるようです。
Posted at 20:33 in n/a | WriteBacks (0) | Edit
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