Apr 08, 2023
翌日のこと
昨夜はよく呑んだなあ。
ペンギンでエスプレッソでも飲んで
しゃきっとしよう。
とルビーは思っている。
あ、ルビーさん。
春っぽい服装に。
ええ。席空いてるかしら。
その時、ちょうど店から
ジルが出てきた。
あ。ジルさん。
そうだ、ちょうどよかったわ。
ルビーはジルに、
昔の知人が町に戻ってきたんだけど、
住めそうな家を探しているの。
郊外のバービーハウス、空いてないかしら?
と訊いている。
その頃広場では
今日もそこそこの賑わいだった。
ボニーは、さっそく
ドルフィンからモトクロス用のバイクを
借りていた。
これ、ほとんど借りる人いないのよ。
キサラくらいかな。
とエトナが言っている。
ヘルメットも保管してあったなんて、
嬉しいなあ。
どこか、出かけるの?
うん。ちょっと郊外を走ってくる。
ベーカリーのテーブルでは
アイスとジュリアンが話していた。
昨晩はよく呑んだね。
久しぶりに「赤と黒」の頃を思い出しちゃった。
そういえば、あのお店に
変わった絵がかかっていたでしょう。
青年と人面の豹が寄り添っているような。
あの絵、すごく気に入ってたのを、
思い出しちゃった。
ああ、あれね。
あれは、クノップフの、
「スフィンクスの愛撫」だね。
残念だけど絵画類は店を閉店する時、
全部処分しちゃったから。
人面の豹と聞いて、メルティが
聞き耳を立てている。
その絵だったら、
コピーの縮小版を持ってるわ。
確かドルフィンに預けてあったはず。
と、絵画のコレクターでもある、
マンスフィールドさんが言った。
解説)
今回は前回の翌朝という設定で、
エピソードも続きの内容です。
2007年1月25日「クラブ「赤と黒」 そのいち」
から画像を一枚再掲しています。
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