Feb 20, 2023
あれこれの話 そのさん
今日も冬らしい快晴。
ガス燈の位置はこれでいいかな。
とマスターが言っている。
形はガス燈だけど、
実際は電灯なので配線をチェックしている。
これで夜でも
明るくなるのね。
私たち夜には
帰っちゃうけど。
夜にも明るくして欲しいって、
要望があったんですよ。
その人って誰かしらね。
それは私です。
と言って女性が現れた。
あ、あなたは、
最近よくここにいらっしゃる方ね。
私、段ボールハウスに住んでいる
粉川和歌子と言います。
でもあまり家にいたくなくて
最近ここに来ることが多い。
まだ寒いけど、もうすぐ春になるし
明かりがあれば遅くまで
ここにいられるから。
その頃ペンギン前の空き地には
ミラがドルフィンから借りた
電動スクーターに乗って
帰って来ていた。
通勤に使うって言ってたけど、
どうして一人乗りなんですか。
それはね。
管理局までの通路は
すごく狭い場所も通るからなの。
あ、通路の話は機密だって、
自分で言ってたのに。
とバグが言った。
そうだけど、
ここだけの話ね。
ドルフィンの倉庫の中には、
迷いの森にある管理局まで続く、
秘密の地下通路があるの。
元ドルフィンの倉庫だった家に住む
私たちは、その道を通って、
通勤してるっていうわけ。
あ、その秘密の通路の話、
聞いたことあります。
都市伝説かと思ってた。
とはるなが言った。
え、ミラ、他の誰かに言ったの?
うーん。そういえば、
魔術劇場で話してた時、
ヴィヴィアンに言ったかな。
ここだけの話って言っておいたのに。
解説)
後半は
内緒話がすぐ広まってしまうという
話でした。
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