Feb 04, 2023

魔術劇場で

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魔術劇場の応接間では
メルティがサラの作った帽子を届けに
夢の世界に戻るのを
見送ったミラとヴィヴィアンが
話し込んでいた。


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あなたたちは派遣されてきたんじゃなくて、
この町に引っ越してきて
元倉庫の部屋に住んでいるんでしょう。
今の家から管理局に勤めてるの?
管理局の本部って、迷いの森にあるって
言ってたわよね。


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ええ、ここだけの話ですけど、
ドルフィンの倉庫の中から
迷いの森に抜けられる秘密の地下通路があるんです。
だからこの町は通勤圏なの。


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なるほど。ドルフィンの倉庫って
資材置き場が多くて迷路みたいになってるからね。

その時魔法のドアが開いて。


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メルティが戻ってきた。
なんとカウボーイも一緒のようだ。


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サラに帽子のお礼が言いたいって。
それと、こっちの世界の話をしたら、
コンテストにも参加したいっていうんで、
一緒に来ちゃった。
どうも。
私はテキサスレンジャーのジョンと言います。

こんにちわ。
私はヴィヴィアン。そちらはミラよ。
とりあえず。


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ヴィヴィアンが呪文を唱えると、
薄い煙が立ち上ってメルティは大きくなった。
しかしジョンの背丈は変わらなかった。

あら、私の呪文が効かないなんて不思議。


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別の呪文が使われている異世界で
お生まれになったのかもね。
とミラが言った。
それより、メルティの夢の世界、
誰もいなくなって大丈夫なの?

前にこっちに遊びに来た時は
大丈夫だったわ。
とメルティが言った。

気になるなら、
あの子に留守番を頼みましょう。
とヴィヴィアンが言った。


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ヴィヴィアンが手を上げると、
中空からひそこが舞い降りてきた。
ヴィヴィアンと超音波で交信して
喜んでいるようだ。


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ひそこは
吸い込まれるように
魔法のドアの中に消えていった。

もうすっかりあなたの使い魔に
なっちゃったのね。
とミラが言った。



解説)
ほぼ1/12サイズのカウボーイのフィギアは
ホビーオフで見つけたもの。
最初はアメリカのコミックか何かの
ヒーローもののフィギアかと思っていましたが、
帰ってネットで見ると
映画「ローン・レンジャー」(2013)
の主人公の扮装にそっくり。
可動部分も多く、よくできています。
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