Jan 16, 2023
会話の続き

会話は進み、
飲茶の品々はかなり
食べ尽くされている。

管理局は注意を喚起するだけというが、
メルティという女の子が
一人きりで深い夢の世界に生きていて、
外の世界を見たいという願いを持っていた。
彼女自身の強い想いが作用して
魔法の扉で魔術劇場とつながることができた。
彼女はこの町に来て遊んで行ったんだが、
しかし一度きりで、
扉の呪文が書き換えられたようで、
使えなくなってしまった。
それは君たちが町に引っ越して来た昨年の
クリスマスの直前の出来事だった。
どうも時期が付合するのが気になってね。
それは管理局の仕業ではないのかな。

それは誤解です。
私たちはそうしたことに介入していませんよ。
何か別の力が働いたのではないでしょうか。
個人的な夢として生まれる世界の場合、
本人にもわからない自己の無意識が働いています。
共同の夢が作り上げる幻想の世界とは違って、
その力が扉を閉じることはあり得ます。
例えば甚大なショックや危険を感じて
防御本能が発現した場合とか、
当人の生命活動自体が衰弱した場合などに。
でも向こうに行ったサラの話によると、
魔法の扉が出現して人がやって来たけど、
サラたちは出入りできなかったと言っていたわよ。
扉自体がなくなったわけじゃないし、
別の世界とは繋がっているっていうことなのよ。
とヴィヴィアンが口を挟んだ。
その人、どこから来たって言ってました?
日差しが強くて風ばかりが吹く世界を
通って来たって言ってたらしいわ。
それを聞いてバグとミラは
お互いに顔を見合わせた。

その時、レイが現れた。
お待たせしました。
飲茶のおかわりをお持ちしました。

あ、ありがとう。
あと、悪いけれど、
帰る時に戸口にいるエヴァに言って、
サラを呼んできてほしいって、
私が言ってたって、伝えてくれない?
わかりました。
お安い御用ですよ。

食卓には飲茶の品々が追加された。
エビ餃子などが美味しそうに
湯気を立てている。

もう我慢できない。

黒猫はハリーの腕から
食卓に飛び移ると、
さらに床にジャンプして、
薄い煙を漂わせた。

黒猫はマリアに変身した。
お腹すいちゃったので、
私も混ぜてね。
と言っている。

その時サラが入室してきた。
あら、早かったのね。
ちょうど肉まん買いにきたところで
ばったりエヴァに会ったので。
なんですか御用って。
あ、美味しそうですね。
と言っている。
今メルティのこと話していたんだけど、
彼女の世界のこと、
あなたに直接伺えればと思って、
お呼びしたのよ。
とヴィヴィアンが言った。
解説)
なかなか会話が進みませんが。
そこはそれで。
WriteBacks
http://haizara.net/~shimirin/blog/kirita/blosxom.cgi/20230116203106.trackback
writeback message: Ready to post a comment.