Jul 31, 2022
エルマの去就
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休憩スペースでは、
予想外のややこしさで
事態が進展していた。
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エルマは、サラから
あれこれ説明を受けていた。
だとすると、ここは、
ジョー軍曹やリリスが言っていた
扉の向こう側の世界。
モモコやアイスやエトナの暮らす世界なのね。
私の原型になった人もいるって、聞いて、
いつか行ってみたいって思ってたのよ。
とエルマは言った。
この人本当にコスプレじゃなかったんだ。
とサラは思っている。
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今の魔法すごかったですね。
ふむ。この精霊の由来や記憶を探ってみたところ、
どうやらジルという人物の深い想念から生まれ、
ジャンという人物や住民たちの集合的な想念が、
特異な土地の力と融合されて生み出された
異世界に実体化して暮らしていたようだ。
その異世界は、こちらの世界と倉庫でつながっていて。
そういえば、あの倉庫の壁には、
微妙に宙空に浮かんでいるような、
どうやっても開けられない奇妙な扉がありました。
とゼロが言った。
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ふむ。それは魔法の鍵でないと開かないよ。
それで、どうする?
このフィギアの精霊は、もともと
君が自分の意志で盗みだしたフィギアのものだ。
お望みなら元に戻して差し上げるが。
とマーリンはいった。
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エルマは無邪気にシャボン玉を吹いている。
上手上手。
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その様子を見ながら、
しばらく考えていたゼロは、
どうやらとんでもないものを盗んでしまったようだ。
これまで人さらいは自分で禁じていたんだけど。
と呟くように言って、
マーリンさんに元のフィギアに戻してもらって、
倉庫に返しに行けばいいのかもしれないけど、
こちらの世界にこられたことを喜んでるみたいだし、
君、帰りたくなったら自分で倉庫に戻れるよね。
とエルマに問いかけた。
郊外のジャンさんの家の倉庫までなら
私が案内するわ。
とサラが言った。
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じゃ、そういうことでお願いします。
マーリンさん、僕の気まぐれのせいで
お手間を取らせましたが、
おかげですごい魔法を見せてもらえました。
いや、こちらこそありがとう。
とマーリンは言った。
とりあえずお約束は果たせましたし。
僕はこれで。
と言ってゼロは去っていった。
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やがてサラも、シャボン玉セットを
マリーンに手渡して、
エルマを誘って、家に帰って行った。
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誰もいなくなった休憩スペースで、
マーリンがベンチに座っていると、
ベーカリー前の水やりを済ませたルルが戻ってきた。
シャボン玉吹かれてたんですか。
君も吹いてみる?
と言っている。
解説)
めでたくシャボン玉液を
使い切りました。
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