May 14, 2022
モモコの体験
ようこそ魔術劇場へ。
モモコさんですね。
どうして名前を、と思われましたか?
これは魔法ではありません。
今晩あなたがいらっしゃることは
先ほど、このマリアから聞いていたのです。
あなたは人形や怪物とも
テレパシーで話ができるとも伺っていて、
お会いできるのを楽しみにしていました。
それは誤解です。
っていうか、話ができるのはリリスとエリコだけ。
リリスは人形っていうより、人形に宿ってる精霊で、
エリコは怪物じゃなくて、
迷いの森に住むちゃんとした生き物です。
あ、迷いの森から異世界に出てきた怪物とも
話ができたけど、あれは、「夢食い」とか、
呼ばれてた。
あと、魔子さんっていう狐の精霊がいて、
リリスとテレパシーで話してたけど、私には
何言ってるのか、わからなかった位なんです。
その時、私の声も聞こえるでしょ。
という女性の声が、
モモコの頭の中で感じられた。
今のは?
ハリーに抱かれていた黒猫が
身を乗り出して、隣の椅子に飛び移った。
立ち聞きしたり、驚かせてごめんなさい。
わたしはマリア、今猫に変身してるけど、
精霊じゃなくて人間よ。
薄い煙が立ち上ると、
マリアが姿を現した。
マリアは私の姪なんだが、
猫に変身できる変わった娘でね。
見かけはちょっと怖いが、根は良い娘です。
どうぞよろしく(^^)
とマリアが言った。
さて、それはともかく、
せっかく劇場に来られたのだから、
楽しく観劇していただこう。
この空間は特殊な魔法陣の上に造られていて、
そのせいで、さまざまな異世界との
出入り口にもなっております。
ジャンさんの倉庫みたいな空間なのね。
ふむ、モモコさんは、
どんな世界がお望みかな。
別世界で生きる、もう一人の別の自分の姿を見るとか。
私は夢でしか会えないジェーンのいる世界に
行ってみたいです。
モモコが触れると、
鏡は寒天のように震えた。
この向こうに行けばいいのね。
モモコが鏡の扉をくぐり抜けると、
そこは。
変な建物から誰か出てくる。
あれ、モモコかな。
とジェーンが思っている。
解説)
どんな世界に、と考えていて、
結局、キッチンの出窓に敷いてあった
シートを交換して撮影しました。
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