Haizara-Cho::Suigara-yama 99[Shinsuke Kirita]

花散る春の日　そのさん

今日も気温があがっている。




カーディガン脱いだら
お腹が空いちゃった。
肉まんでも食べに行かない？
私はお水しか。
あ、そうだったわね。




エリスが屋台に行くと、文学青年がいた。

春眠暁を覚えず処処啼鳥を聞く。
というのは、鳥の声を聞いてるわけだから、
早起きしてないですか。
と文学青年は言ったが、
エリスは肉まんを食べるのに忙しかった。




そのころ、郊外のジャンの家の倉庫に
森林公園の管理人が遊びに来ていた。




この前の地震で起きた崖崩れの補修をしていて、
桜の枝についた葛の葉をみつけたんだ。
この地方では昔から、この葉には魔力があるって、
言い伝えがあるんだよ。狐が変身に使うとか。




すぐ枯れちゃうと思うけど、
話のネタに進呈するよ。といいのこして、
葛の葉を置いて管理人が帰ったあと、
リリスのフィギアがモモコに
想念を送ってきた。




試してみたいって、
人形なんだから無理じゃない？
狐の精霊にできて、人形の精霊に
できないってことはないわよ。

ジャンには二人の会話が聞こえないので、
モモコの解説をまっている。




葉っぱを頭にのせて、
パワーを集中して。




すると薄煙がたちのぼり、
あたっといいながら、
等身大のリリスがあらわれた。


解説)
葛の葉の登場から、
思いつきは意外な方向に。