Oct 01, 2021
ジャンヌの肖像画
![mo1](/~shimirin/blog/kirita/entries//20211001213203.files/mo1.jpg)
レイアは、
「赤毛の若い女性」を見ている。
このひと、ジャンヌじゃなかったのね。
![mo2](/~shimirin/blog/kirita/entries//20211001213203.files/mo2.jpg)
モディリアーニとその妻ジャンヌの話は、
映画にもなった有名なエピソード(注1)。
![mo3](/~shimirin/blog/kirita/entries//20211001213203.files/mo3.jpg)
「1898年にモー地方に生まれたジャンヌ・エビュテルヌは、
中流階級のブルジョワの家庭ー父は会計士であったー
の出身で、パリ5区のアミヨ通りで両親と暮らしていた。
2歳年上の兄アンドレも画家だったこともあって、
若きジャンヌは、芸術で身を立てることに魅力を感じていた。
アカデミー・コラロッシの生徒として
モディリアーニの知己を得たジャンヌは、
この偉大な恋人に影のように寄り添い、
人生の苦楽を分かち合ったが、
その生活は常に彼女の家族によって支えられていた。
たとえば、南仏に滞在中の1918年の11月に
ジャンヌが娘を出産した時には
母が手助けにやってきて、居をともにしている。
パリに戻った時には、ズボロフスキーが
グランド・ショミエール通り8番地の
アパルトマンを貸してくれたが、
そこでの暮らしは数ヶ月で幕を閉じた。
1920年1月26日の未明に
モディリアーニがこの世を去ったその翌々日には
2番目の子供を身ごもっていたジャンヌが
自ら命を絶ったのである。」(注3)
![mo4](/~shimirin/blog/kirita/entries//20211001213203.files/mo4.jpg)
レイアはカタログの解説を読んで、
ひととき、もの思いに沈んでいる。
![mo5](/~shimirin/blog/kirita/entries//20211001213203.files/mo5.jpg)
隣に座っていたジャンが、
カタログの写真と解説文を目にして話しかけた。
その解説だと、二人が一緒に暮らしたのは、
ほぼ3年間ですね。
モディリアーニは、その間に、どのくらい
ジャンヌの肖像画を描いたのかなあ。
レイアはページをめくって、
「モディリアーニはジャンヌ・エビュテルヌの肖像画を
油彩で25点ほど描いている。
この数はどのモデルより抜きん出て多い。
次に多いベアトリス・へースティングでも、
およそ13点である。
しかし彼女たちは裸婦像として描かれたことはない。」(注3)
って、書いてあるよ。と応えた。
かなりの点数なんだね。
この展覧会には、一点しかないけど、
他の作品もみてみたい。
![mo6](/~shimirin/blog/kirita/entries//20211001213203.files/mo6.jpg)
側で二人の会話を聞いていた
マンスフィールドさんが言った。
ジャンヌを描いた肖像画だったら。
![mo7](/~shimirin/blog/kirita/entries//20211001213203.files/mo7.jpg)
「大きな帽子をかぶったジャンヌ・エビュテルヌ」(1917)
が有名ね。
![mo8](/~shimirin/blog/kirita/entries//20211001213203.files/mo8.jpg)
「ジャンヌ・エビュテルヌの肖像」(1918)
も有名。どちらも美術展の目玉として、
カタログの表紙に使われたことがある。
卵形の顔に長い首。
瞳のないアーモンド型の目など、
ひとめでわかる特徴が共通してる。
![mo9](/~shimirin/blog/kirita/entries//20211001213203.files/mo9.jpg)
「ジャンヌ・エビュテルヌの肖像」(1918)
も印象的。モノクロ写真の表情と見比べると、
面白いかも。
![mo91](/~shimirin/blog/kirita/entries//20211001213203.files/mo91.jpg)
解説)
注1)「モンパルナスの灯」(1958)、「モディリアーニ 真実の愛」(2004)。
注2) 「モディリアーニ展」(2008)のカタログの、
「大きな帽子をかぶったジャンヌ・エビュテルヌ」の作品解説より。
注3) アサヒグラフ別冊美術特集 西欧編11「モディリアーニ」作品解説より。
絵画作品の画像は、手元の展覧会カタログや、
ポストカード、画集からの転載です。
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