May 13, 2021
帰りついて
レイアはジョギング中。
あ、そうだ。
階段のところで、
モモコと待ち合わせしてるんだった。
赤いナップザックありがとね。
随分役にたったよ。
と言われている。
そのあと、
レイアがルルと
立ち話をしているとき、
ナップザックの中から。
一匹の蝸牛が逃げ出した。
レイアは気づかないまま、
ナップザックを背負い、
またジョギングをしようとして、
隣の椅子に座っていた、
男性に声をかけられた。
おじょうさん、
景気づけに一杯やってくかい?
う。もち、いただきます。
CGへの報告書を書き上げ、
しばしの休息をとって、
アイスはベーカリーに顔をだした。
フレイム、どしたのその格好。
お店が思いの外人気なので、
本気出すみたい。
銀河食堂思い出すね。
今、キムチ入りパンを考えてる。
!
などと言っている。
ルビーがちょっと話が、
と言った。
森の探検の件、行方不明者が帰ってきて、
軍もCGも感謝してるみたい。
でも救助したのがアイスたちだと公表すると、
CGが禁止令を破ったことになるから、
表向きは、行方不明者たちが
自力で生還したと発表するそうよ。
うん。それはミッションでは
よくあることだからいいんだけど、
あの森自体、謎が多かった。
帰り道でそれまで無かった滝があったり、
都合良く行方不明者たちに会えたのも、
偶然なのかどうか。
それってなにかの意志が働いているってこと?
ほかにどんなことがあったの。
それはね。
といいかけてアイスはだまりこんだ。
モモコの夢の具現化であるような異世界の景観。
テレパシー能力をもつ不思議な生き物との出会い。
CGへの報告書には記載しなかったことで、
いくつもの印象的な体験の記憶が蘇ったが、
いちばん伝えたい肝心なことは
うまくことばにできそうもないのだった。
いつかもうすこし整理できてから話すね。
とアイスは言った。
なんか大きくてきれいな蝸牛がいるよ。
どこからどうやって来たんだろう。
そういえばもうすぐ梅雨時だからね。
そうか、きっとそうなんだね。
と、ちょっと意味不明のことを言っている。
解説)
今回は、帰還後の二人の様子です。
蝸牛は飛び入り参加ですが、
今のところ人畜無害の様子です。
WriteBacks
http://haizara.net/~shimirin/blog/kirita/blosxom.cgi/20210513215843.trackback
writeback message: Ready to post a comment.