May 12, 2021
帰還まで
アイスが、
ああさっぱりしたと言いながら、
髪をなでつけていると、
あっちの方で人の声がするよ。
とモモコが言った。
アイスはすぐに身支度をととのえ、
二人は声のした方角に慎重に進んでいった。
なんとそこには四人の兵士たちが、
キャンプをはっていた。
アイスはルビーが言っていた
行方不明者たちのことを思い出した。
みんなかなり草臥れている様子だ。
中にはアイスが見覚えのある顔もあった。
たぶんCGから派遣された女性だろう。
アイスが、
自分たちは、森に迷い込んだ遭難者でなく、
紐を伝って町に戻る途中だと告げると、
一同は一様に目に安堵の色を浮かべた。
中には感激して泣き出す兵士もいた。
命の恩人です。
お腹空きました。
と言われている。
もう三日も食べてないの。
滝の水ばかり飲んでた。
まだすこし動物パンあるよ。
とモモコは言った。
このひもに命を助けられた。
私もいつかひもになりたい。
あ、そういう意味じゃなくて。
と譫言のようにつぶやいている。
どうも疲労困憊して
混乱をきたしているようだ。
...
かくて一行は無事に迷いの森を抜け、
隊に戻る兵士たちとも別れて、
アイスとモモコは
町に帰り着いたのだった。
テレパシー能力をもつ生物がいたって
知られたら、きっとまた軍やCGが動くから、
内緒にしとこう。
うん。エリコ笑顔がかわいかったね。
などと話している。
解説)
これでモモコとアイスの森の探検は
ひとまず無事完結です(^_^)。
まだまだ謎の多い森ですが、
現在炬燵の枠をいったん片付けて掃除中です。
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