May 09, 2021
遭遇 そのに
![f1](/~shimirin/blog/kirita/entries//20210509173800.files/f1.jpg)
生き物はモモコの様子を
伺っているようだった。
やがて、どこか
悲しげな声をあげた。
![f2](/~shimirin/blog/kirita/entries//20210509173800.files/f2.jpg)
口の奥からとびだした、
もうひとつの口から、
長い舌をだして
なんとモモコの足の傷口を
舐め始めた。
![f3](/~shimirin/blog/kirita/entries//20210509173800.files/f3.jpg)
一瞬頭がしびれた気がしたが、
やがて足の傷や痛みがすっかり消えているのに気づいた。
不思議な想念がモモコの
心に伝わってくる。
モモコはこの生き物が、
自分のことを、卵の殻をつついて割った
母親だと勘違いしているらしいこと、
まったく警戒心や敵愾心のない、
甘えるような感情が伝わってくるのを
感じた。
![f5](/~shimirin/blog/kirita/entries//20210509173800.files/f5.jpg)
これをテレパシーというのだろうか。
モモコが自分は母親じゃないのに、と思うと、
生き物も理解したようだった。
モモコはそっと生き物にさわってみた。
傷を治してくれてありがとう。
きみをエリコと名付けよう。
とモモコは言った。
エリコはうれしそうに
頷いている。
![f6](/~shimirin/blog/kirita/entries//20210509173800.files/f6.jpg)
さてこれからビバーク地点に戻らなきゃ。
さっき、夢中で走って逃げたから、
方向がさっぱりわからない。
![f7](/~shimirin/blog/kirita/entries//20210509173800.files/f7.jpg)
わたし覚えてるよ。
という想念が伝わってきた。
解説)
今回は、人(ではないですが)は、
みかけによらないというお話でした(^_^)。
ホビーオフで見つけた
エイリアンのフィギアを使用したので、
エリコと名づけました。
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