Jun 19, 2008
ジオラマ劇場 そのご
森の動物の子供たちは手紙さがしに夢中です。
子ヒツジたちも遠い山の上まで捜しにやってきました。
空はまっかな夕焼けです。
灰色ヒツジの頭に赤とんぼがとまりました。
「赤とんぼさんも、夕焼けをみながら休んでいるだね。」
2匹の子ヒツジと赤とんぼは、ずっと夕日が沈むのをみていました。
山のススキが手をふって、夏にさよならといっているようでした。
「ほーほー。
キツネさん。鳥の郵便屋さんがなくした手紙を、
子供たちがさがしているって知ってる?」
「ええ、手紙はリスさんが自分の宝物といっしょに、
どこかにしまいこんだらしいですよ。こんこん。」
「そですか。それはみつけるのが大変そうですね。
リスさんもしまった場所をわすれてるだろうし。。」
「そですねー。こんこん。」
「ほーほー。」
落葉にうもれた森のなかを、
うりぼうたちが歩き回っています。
「手紙はみつからないなあ。。」
そのとき鼻のいいうりぼうが、
ふしぎな春の香りがするのに気が付きました。
落葉の下をほってみると、どんぐりといっしょに、
なんと、あのお手紙がかくれていました。
「どうしたらいいかなあ。」
「なんでも教えてくれるクマさんに相談しようよ。」
小グマはお母さんグマに手紙をみせています。
「お母さん、うりぼうくんから手紙をもらったよ。
森のお友達へ、って。でも差出人が書いてないんだ。」
「これは鳥さんがなくして忘れちゃったお手紙ね。」
「うん」
小グマは不思議そうな顔をしています。
「それでいいのよ。これは春のたより。
私たちが眠りからめざめるころに、
鳥さんはまたお手紙をもってやってくるわ。
春がきたよ。ってね。
それが鳥さんのお仕事なの。」
森は一面の銀世界です。
「やあ、ウサギさん、今日も冷えますね。」
「こんにちわ。今日は木の実が沢山ひろえたので、
そろそろ帰るところです。」
ウサギはうれしそうな顔をしています。
シカは小雪のまう空をみあげていいました。
「はやく鳥さんがくるといいのに。
春のたよりをもって。」
春になると、また鳥の郵便屋さんが、
南からやってきます。
やさしい風の息吹とともに。
森は、まだ白いお化粧をして、花咲く春の訪れを、
静かにまっているのでした。。
おしまい
解説)
リーメントの食玩シリーズ
「やさしい森のおはなし」(10種類+色違いシークレット1)を使って、
ジオラマ劇を撮影してみました。
ストーリーの言葉やセリフは、ほとんど同封カードの説明を踏襲していますが、
いいまわしなど、すこしだけ変えてあるところもあります。
(原文は、リーメントのサイトの商品紹介のページに掲載されています。)
WriteBacks
わくわくしました。
登場する人形も多いし、あれよあれよという間に展開して、動きも楽しめ、最後文句なしにかわゆくて泣きそうでした(笑)。
人形たちもジオラマ劇場を堪能したことと思います。二重構造^^
あまりにキャラっぽい動物はなじめないですが、これは自然にかわゆく上手に作ってありますねぇ。赤とんぼヒツジと垂れ目?のヒツジが特に・・。
静も動も愉しめるのが桐田さん劇場。いつも楽しいです。
Posted by emi-ka at 2008/06/19 (Thu) 19:47:08
ありがとうございます(^^)。
つぎに打ち上げパーティをやって完結になります。
ジオラマ劇場のほうは、解説カードの説明をひきうつした
感じなのですが、つなげてみるとストーリーがわかりやすい。
文章をすこしかえるプロセスを楽しみました(^^)。
作者はリーメントの開発スタッフの方なのかな。
ほのぼのとした味わいのおはなしですね。
動物たちもおっしゃるように、
童話や絵本風のおさえた造形がかわいいです。
ヒツジはうまれたてみたいな、ぼんやりして、
たよりなさそうなところがいいですね(^^)。
Posted by 桐田真輔 at 2008/06/20 (Fri) 13:21:32
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