Jul 19, 2024

フミコの帰郷 そのご

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コーヒーを飲んでいたフラハは、
裏庭に突然鏡の扉が出現したので驚いている。


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扉からは、アイスが、
知らない女性を連れて現れた。

君は先日マークと一緒に来た
アイス君だったな。
呪力がさっぱりだった君が
鏡の扉を使ったのか?

あ、まあそのようです。
あちらの女性はフミコよ。
この前の頭蓋骨、無事に蘇生に成功したの。


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フラハとアイスは
冗談のような挨拶を交わしている。

あなたがフラハさんね。
私の蘇生を試みてくださった方だと
アイスから伺いました。
私はフミコ、その昔魔族の都で
暮らしていました。

おお、伝承どうりだったわけか。

突然驚かせて悪かったけれど、
フミコの蘇生を気にかけてくれていた皆さんに、
特にハンスさんに早く伝えたくて、
この集落に戻ってきたの。
とアイスが言った。


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鏡の扉には出現させる呪文と、
移動するための呪文があるんだったな。
魔術の書があれば私にも可能なんだが。

魔術の書。私もハリーさんの魔術劇場で、
拝見しました。
でも私が生きていたのは、
その書物が編纂されるずっと前のこと。
呪力のある人はみんな自分で呪文を生み出す
力を持っていたのよ。

そうかハリーに会ったのか。
蘇生の呪文を唱えたのはやはりあいつだったか。

そうじゃなくて、フミコを蘇生させたのは、
私が言ってたハリーの娘のヴィヴィアンっていう悪魔。
とアイスが言った。
そうだ、フミコの蘇生って言えば
そのことをハンスさんたちに伝えにきたんだった。
そろそろ行かないと。


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ということで、
アイスとフミコはフラハの家を後にした。

フラハさん、ずいぶん鏡の扉にこだわっていたわね。
どこでも扉を生み出すことができれば便利でしょう。
今のあなたにはそれが可能なのよ。
でも無闇に使うべきじゃない。
鏡の扉に頼りすぎると肥り過ぎたりして
悲惨なことになるわ。
健康のために歩きましょう。


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二人はクラウドの家のまえにたどり着いた。
みんないるかなあ。


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アイスがあまりにも早く
戻ってきたので、
みんな何があったのかと驚いていたが、
魔術で蘇生したフミコが一緒にいるとを聞くと、
最初の驚きは別の驚きに変わっていった。


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お父さん、これで心置きなく
リンリンに会いに行けるわね。

うん。グリューンとの約束が果たせたことになるからな。
グリューンはもうフミコさんに会って、
知っているんだろうけど。
あ、グリューンっていうのは
グリーンマンのことですよ。
フミコさん、グリューンは元気でしたか?

ええ、今たぶんその辺にいると思いますわ。
とフミコは言った。


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なんとグリーンマンは、
ジャングルの茂みから姿を現した。
ハンスを見つめて
喜んでいるようにも見ようと思えば見える。

なんとあんなところに。

私たちについてきたんです。
そういうとフミコは、
何やらグリーマンに聞こえない声で
話しかけている。


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しばらくしてグリーンマンの姿は
ジャングルの中に消えていた。

何を話していたんです?

茂みから私たちの様子を見ていて、
ハンスさんがいるのに気がついて、
思わず顔を出したらしいわ。
ハンスさんが蘇生したことは、
リンリンから聞いて知ってたって。

シーザーがリンリンに
伝えてくれたんだわ。
とアイスが言った。

ハンスさん、
あなたが約束を守ってくれたことを、
すごく喜んでいましたよ。
リンリンも会いたがっているって。

そ、そうでしたか。

ずっと私たちについていきたいけど、
遺跡からあまり離れると
遺跡やジャングルを守れなくなる。
とも言ってた。
あなたはもう自由なんだから、
好きにしていいのよ。
って言っておいたわ。
あれで結構悩んでいるのよ。

複雑なストーカー心理なのね。
とアイスが言った。



解説)
続きます。
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