May 31, 2022

合同チーム

a1

さっきの連絡、本部からでしょう?
とルビーがアイスに尋ねている。


a2

ヴィヴィアンの監視と警護の要請だった。
彼女は特別なヴァンパイアで、
さる組織から狙われているらしい。
引き続き英国の諜報機関とも協力するようにって。

アンジーさんも連絡受けてたわね。
ヴィヴィアンがヴァンパイアだっていうのは初耳だけど、
当然ご存じだったんでしょう。
とルビーが言った。


a3

ええ。打ち明けると、彼女は昼間でも行動できる
特殊なヴァンパイアだと聞いてる。
英国で問題を起こしてから、ずっと行方を追ってきたんだけど、
CGも加わって、合同で対処することになったようね。
あなたたちと協力して、彼女の警護にあたるようにって、
上から同じことを言われたわ。


a4

こちらでわかっていることを言うと、
魔術劇場の主催者はハリー原という人物で、
別居中のカーミラの夫、ヴィヴィアンの義理の父親にあたる。
それでちょうど付合するんだけれど、
彼もかってヴァンパイアだった時期があるの。

なるほど。
母子で父親を頼ってきたということか。
とジムが言った。

監視と警護の要請ってことは、彼女をどう処遇すべきか、
まだ上の方で決めかねているんじゃないかな。
対応次第では、ハリーと敵対することにもなりかねない。
そうなるとかなり厄介ね。
とルビーはつぶやくように言った。


a5

あ、レイチェルさん。あなたロボット研究所は休職中なんでしょ。
CGの専属で雇いたいから、お願いできないかしら。
仕事は、アンのメンテナンス。というか、
警護のためにも、これからもアンの記憶画像が
必要になりそうなの。
ドルフィンに常駐してくれても、
今のままペンギンで勤めていてもいいから。

そういう話なら喜んで引受けさせてもらうわ。
今の仕事は暇なんだけど、あのエプロン姿はどうも苦手で。
それにアンにさわれるなら、開発者の一人としても大歓迎。
とレイチェルは言った。


a6

とりあえず、上からの指示待ちっていうことのようね。
CGのネットワークから、今後新しい情報も期待できそう。
私たちは屋台のテーブルから広場の周辺を監視するから、
何かあれば呼んでね。
その前に、このカメロンパン食べてから。
とアンジーは言った。


a7

その夜、喫茶ペンギンでは。


a8

すごく短い間だったけど、よく働いてくれたわね。
店内でのスナップ撮影もないくらいでしたけど。
などと会話している。


a9

レイチェルは、アンのメンテナンスを任されたので
また密かに人工知能にKSシステムを組み込んで
研究を再開できれば、と考えているのだった。


解説)
果てのない
思いつきの中で
エピソードが進行していきます。
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