Nov 13, 2007
不思議の国のアリスとアイス そのろく
第六章 ブタと胡椒
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ちょっとひらけた場所で一メートルほどの高さの家をみつけたアイスは、
森のほうから制服を着た従僕が走ってやってきて、
その家の玄関に到着する様子を木陰からみていました。
「サカナの顔をしたその人物は、こぶしでドアをはげしくノックしました。
すると、丸い顔にカエルのような大きい目をした別の従僕が中からドアをあけました。」
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従僕に「好きなようにやればいいだろう」といわれて、
アイスが思い切って玄関のドアを開けて部屋にはいってみると。
「ドアをはいったところは、すぐ大きな台所になっていて、
部屋じゅうもうもうと煙がたちこめていました。
公爵夫人が部屋のまんなかで三本脚の椅子にすわり、
赤ちゃんをあやしています。」
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公爵夫人から赤ちゃんのお守りをいいつけられたアイスは、
苦心して赤ちゃんを抱いていました。
赤ちゃんはブーブーと泣いていて、
まるでブタのようにも思えます。
「心配になって顔をのぞいてみると----
こんどはもうまちがいようはありません。
まさしくブタであり、ブタ以外の何物でもありませんでした。
アリスは、これ以上抱いていても無意味だと思って、下へおろしました。
すると、ちびちゃんはチョコチョコと森の中へかけこんで見えなくなりました。」
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ひとりごとをいいながら歩いていたアイスは、
はっとして足をとめました。
「3メートルほど先の木の枝の上にすわっているチェシャー・ネコを見つけたのです。」
「ネコはアリスを見て、ただニヤニヤ笑いをしているだけでした。」
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![a18](/~shimirin/blog/kirita/entries//20071113020712.files/a18.jpg)
会話の途中でネコが何度も消えてしまうのにアイスはうんざりして、
「あまりいきなり現れたり消えたりしないでほしいわ。」といいました。
「「わかった、わかった」とネコはいって、
こんどはゆっくり時間をかけて、消えていきました。
まず尾のさきが消え、だんだんとほかの部分も見えなくなり、
最後にニヤニヤ笑いだけがしばらく残っていました。」
つづく
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