太陽とは経験である みしらぬ巨大な果実が熟れる西 蒼白の耳のおくに 名づけられては燃えおちる黄金(きん) 蝸牛のように夜を背負う肖像画のなかで 面貌はふかくあばかれていった ファランクス 千の言葉に刺しつらぬかれて あの破船と光りをつなぐ美しい誤謬は 天才たちは鳥のごとくころされた 地軸のうえに目醒めるものはことごとく朱 黄昏の穹(そら)にみちる むらがる神の兵士たちの軌跡とまじわり 羽根あるものは染められて ひとつの天才のごとく絶息する 季節はすべて秋と呼ばれた