Jun 30, 2005
二つの詩
古代に近い大型の家畜――食肉用の家畜ここの山麓と肥えた草の中に生きている――
オーリヤックの屠殺場のために?
オーベルニュ地方は、判官館があり、厳しく、辺鄙な地方である。
《ここで生れたものはサレルス種とチーズ製造小屋に頼ることに決まっているのさ》
農夫のマーニュ・ド・マジユーは言う。
彼は老いの悲哀を耐え忍ぶ
薄れ去った季節の中で。
わたしがこの美しい仔牛の首の釣鐘を盗もうとしたら
角がシャツをかすり、引き裂くだろうか?
キリストが刻まれたこのブロンズの釣鐘は
幼年期の世界をもう一度生き直させてくれるだろうか?
だがあそこの群は、すべての角をまっすぐに立て
わたし達に対峙している。
註
次の中タイトルは「二つの詩」。このブルターニュ出身の詩人は世界を駆け回る。今は、フランス中央部マッシフ・サントラルの放牧地に居る。
古代に近い大型の家畜=この地域はラスコーの洞窟に近いので、雄牛、馬、鹿などが豊かに描かれたイメージを借りているようだ。
オーリヤック=Aurillac フランス中央(マッシフ・)山地(サントラル)西部カンタル県の県庁所在地。傘、家具などが製造されている。
オーベルニュ地方=Auvergne アリエー、ピュイ=ド=ドーム、カンタル、オート=ロワールの四県からなる中央山地南部の地帯。南北海岸地帯の奥部で、フランスでもっとも辺鄙な地域として、この地方の出身者は田舎丸出しの形容としてよく引き合いに使われるが、その素朴な人間性を賞賛して、歌手のジョルジュ・ブラッサンスが「オーベルニュ人の歌」を作り、国中で歌われている。
サレルス種=Salers 乳牛の品種。カンタル山麓で飼育される赤毛の大型品種。オーベルニュ地方で作られるチーズは《カンタル》le cantal と呼ばれる。
WriteBacks
http://haizara.net/~shimirin/blog/udo/blosxom.cgi/june30-1.trackback
writeback message: Ready to post a comment.